カテゴリー: 心霊体験

誰かに話すと信じてもらえないかもしれない、あの体験。心霊体験談を実話風に描いた短編を集めました。ゾクっとする感覚と、不思議な余韻をお楽しみください。

住所のない開業挨拶状

廃業を控えた活版印刷の老舗をひと月取材した、ライターの私が体験した不思議な話。誰も触れていないのに、夜ごと組まれていく挨拶状の活字。湯呑みはいつも一つ余分。そし…

閉館前夜の客

地域誌のカメラマンが取材で訪れた廃館前夜の映画館で、最後列に座る着物の老婦人を目撃する。客が全員帰ったはずの劇場で、床に落ちていた古い半券に書かれた映画のタイト…

最後列の同乗者

新幹線運休の振替で乗った夜行バスの最後列。消灯後、隣席に「酔ってしまって」と座ってきた女性。サービスエリアで降りた彼女は戻らず、運転手は最後列はあなた一人ですと…

フィルムに残ったもの

廃駅での撮影ロケ中、カメラのファインダー越しに奇妙な影を見た。フィルムを現像すると、肉眼では何もなかったはずの場所に、人の形をした影が三つ四つ並んでいた。…

波止場の男

漁師の俺が深夜の波止場で見た人影は、三ヶ月前に嵐で消えた仲間の健介にそっくりだった。倉庫に消えた影、空き缶、そして春先に上がった水死体——あれは何だったのか、今…