カテゴリー: 心霊体験

誰かに話すと信じてもらえないかもしれない、あの体験。心霊体験談を実話風に描いた短編を集めました。ゾクっとする感覚と、不思議な余韻をお楽しみください。

大学写真部の夏合宿で泊まった、外房の網元屋敷の古い民宿。深夜、寝落ちした部員の枕元に、濡れた髪の女が正座していた。誰も動けないまま夜が明け、東京に戻って集合写真…

肝試し

高校二年の夏、廃校になった分校にひとりで泊まった郡司が消えました。翌朝かけた電話は繋がり、向こうからものすごい風の音がした。しかし携帯は寝袋の中にあった。二十年…

葬列

深夜の暗く狭い路地で、旧友は喪服の行列に出会い『これは誰の葬式ですか』とうっかり尋ねてしまいました。返ってきた答えは、なんと、自分の名前でした。古い城下町に伝わ…

縁の下

母を亡くした幼い子を夜だけ預かっていた私は、ある晩から、誰もいない暗い部屋で笑うその子の声を、聞くようになりました。母はどこから来るのかと問われた幼子が指さした…

公園の違和感

深夜の帰り道、見慣れた公園の電柱が一本だけ、妙に長く見えました。近づいて気づいたその正体と、向かいの家をいまも覗き続けるものの言い伝えを描いた怖い話です。昼に確…

遺言ビデオ

冬山に単独で挑む同僚が、万一に備えて遺言ビデオを撮ってほしいと頼んできました。半年後、本当に彼は山で亡くなります。初七日に再生したその映像が一変する、背筋の凍る…

霊感テスト

山あいの古い民家での合宿の夜、先輩が口にした「霊感テスト」。目を閉じ、実家の窓を順に開け閉めするだけの、他愛もない遊びでした。けれど、その遊びには、やるたびに見…

灰色の背広の男

尼崎の駅裏、築四十年の扇栄ビルの遅いエレベーターには、灰色の背広の先客が出るという。残業帰りの夜九時、うっかり放った一発が招いてしまった気まずすぎる遭遇と、管理…

鳴らない七枚目の板

平成六年の夏、岐阜の乗鞍の麓にある古いヒュッテで、山岳部の後輩が霧に巻かれたまま戻りませんでした。その晩、暗い廊下に立っていた後輩に、私はザックの底のことを頼ま…