タグ: 不思議な話

黒い背広と赤茶けた背広

小学二年の九月、留守番の家で泣いていた私のもとへ、一度も来たことのない叔父が二人だけ訪ねてきました。その日、二人は町役場から一歩も出ていなかったといいます。福岡…

体育館の脇で会った子犬

小学五年生の初冬、スクールバスの停留所で動かなくなった子犬を見つけました。校庭の土はどこも固く、掘れたのは体育館の脇だけでした。その日の夕方、同じ模様の子犬が畑…

病室に隠された絵日記帳

深夜、部屋の隅に体育座りの男の子が現れた。頼まれたのは、病室に隠した絵日記帳を両親へ届けることと、自分の家の場所を教えること。小さな足音の主が最後に駆けていくま…

有刺鉄線の向こう側にあった竹林

川沿いの林の奥、有刺鉄線の向こう側に広がる竹林。小学五年の日曜に五人で柵をくぐった私は、枯れた広場のすり鉢の穴と御札だらけの廃車、茶色い着物の一つ目の男を見た。…

玄関の柱の木札は一枚だけ

大晦日の深夜、街道筋の古い家の二階の壁に、白い衣の女がヤモリのように貼り付いていました。真下で聞こえたのは「お前で終わりだ」という声。玄関の柱の木札が一枚しかな…

霊感のある生徒

高校の先生が初めて担任を持った年、窓の外ばかり見ている霊感のある生徒がいました。向かいのマンションに立つ焼け焦げた女性、文化祭の古い仏壇、修学旅行の壕で起きた三…

座らなくなった三つ折れ人形

深川の薬種問屋に伝わる三つ折れ人形は、桃の節句の夜に倒れて右の袖と右の髪を焦がしました。昭和二十年三月十日の空襲の夜、人形は黙って座って待ち、それ以来、二度と座…

赤い手形を夜中に洗う父親

心霊スポット巡りが好きだった兄弟は、父を驚かせようと車の後ろに赤い手形を描きました。ところが父は青ざめ、真夜中に号泣しながらそれを洗い落とします。ゆっちゃんと呼…

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