目をつぶって三回まわると、知らない場所に立っている――三歳の遊園地、五歳の海辺で実際に起きた瞬間移動の体験談です。祖母が顔色を変えて止めた理由、回ったまま戻らな…
続きを読む
昭和の終わり、神奈川県の駅ビルで起きた不思議な話です。階段もエスカレーターも使わず、決まった角を曲がるだけで三階から四階へ――再現できる「近道」、七分ずれる柱時…
続きを読む
深夜の雑居ビルでエレベーターの扉が開くと、そこは一階のロビーではなく、夜の野原だった。匂いも、音も、確かにあった。降りなかった私に警備員が漏らした一言が、今も忘…
続きを読む
いなくなった犬や猫が、なぜか必ず見つかる古い空き家があった。塀に抜け道はなく、戸締まりも完全なまま。それでも動物たちは、閉ざされた庭で雨戸を見上げて座っている。…
続きを読む
友人の部屋の宙に、手を振るとそこだけ動きが遅くなる場所があった。バスケットボールほどの、時間が淀む丸い空間。触れてはいけないその領域をめぐる不思議な体験を、淡々…
続きを読む
町に出回った一枚のチラシが、パンは危険な食べ物だという奇妙な統計を並べていた。母が、隣人が、商店街が少しずつ変わっていく。数字の正体に気づいたとき、本当の目的が…
続きを読む
真夜中の特急電車に、乗客の年齢を次々と言い当てる不気味な男が現れます。百発百中だった男が、最後の初老の女性の前で、初めて凍りつき青ざめました。彼に見えていたもの…
続きを読む
五年ぶりに帰った実家で、亡き母の書斎から、ハサミで細かく切り刻まれたカレンダーが見つかります。順番に並べられた日付が示していた、母が命を懸けて遺した最後の警告と…
続きを読む
許せない男を呪うため、私は一冊の禁書を手に入れました。手順を違えれば呪いは術者に返るという警告のもと、丑三つ時、鏡の前で儀式を始めます。目を閉じて思い浮かべた、…
続きを読む
念願の新居で開いた引っ越し祝い。撮った記念写真の押し入れの隙間から、青白い顔の見知らぬ女が私たちを覗いていました。怯えて訪ねた霊能者は「これは心霊写真ではない」…
続きを読む
祖父から相続した古い家で、夜ごと枕元に黒く丸い二つの光が浮かぶようになりました。家じゅうを探した私が物置の奥で見つけたのは、色あせた紙に「まりも」と書かれた、黒…
続きを読む
出張で泊まった山あいの古い旅館。夜中、押し入れの闇から青白い手がわらわらと伸びてきたのに、疲れと眠気でどうしても相手にできず、私は無視して眠ってしまいました。必…
続きを読む
学生の頃に住んだ古いアパートで、私は頻繁に金縛りにあいました。ある晩、首筋に触れたのは長い黒髪ではなく、もっさりと両脇に降ってくる感触。頭に浮かんだのは、巨大な…
続きを読む
花火師だった爺ちゃんは、いたずら好きのまま亡くなりました。墓の手続きの日も法事の日も、決まってどしゃ降りの雨。帰り道、父が放った冗談の直後、私たちの車に横からト…
続きを読む
夜の古い雑居ビル。誰もいないエレベーターで気を抜いた私は、つい放屁をしてしまいました。すると左横で「うっ」と声がして、鼻を覆う灰色の背広の男が現れ、やがて音もな…
続きを読む
イタズラ好きの黒い人影が、俺の部屋に住み着いた少し不思議な話です。包丁を勝手に動かされた日からは警戒していましたが、高熱で動けなくなったあの夜、そいつは思いもよ…
続きを読む
安すぎる部屋にまつわる、笑える実話風の怖い話です。駅から徒歩五分で家賃三万五千円。電球が切れ、天井に女が張り付き、ラップ音が止まらない。そんな次々と起こる怪奇現…
続きを読む
これは、ある秋の夕暮れ、寺の脇道で起きた不思議な話です。私とナギサは黒猫だと思って近づきましたが、それは宙に浮いて回転する毛の塊でした。必死で逃げた十年後、図書…
続きを読む
大学のボート部の夏合宿で、湖に沈んだ後輩の北原。その晩、薄暗い廊下で彼に呼び止められ、リュックの底を頼まれました。底から出てきたのは数冊のエロ本と、親に隠した年…
続きを読む
学生時代、山奥の湯治宿で働いた夏に、毎年通う老人から不思議な話を聞きました。奥山の窪地で眠ると、皮を引き毟ったような痕が残り、わずらっていた病が消えるというので…
続きを読む