年齢当て

公開日: 意味がわかると怖い話

wallpaper273_640_1136

あと10分ほどで真夜中になるという時間帯に、私は特急電車に乗っていた。やがて、途中の駅で一人の男が乗り込んできた。

その男は、電車のドアが閉まると、突然我に返ったように乗客の顔を見回し始めた。

「すみません。あなたの年齢は28歳ですか?」

男が私に話しかけてきた。

「そうですが、どうしてわかったんですか」

私が聞き返しても、男は無視して、また別の人に話しかけた。

「あなたの年齢は45歳ですか?」
「そうですけど……」
「あなたは62歳ですね?」
「どうしてわかったんだ?」

そんなやり取りを繰り返していく。どうやら、その男には、顔を見ただけで年齢を当てる特殊能力があるらしい。次の停車駅までは、まだ15分以上ある。私を含め、乗客たちは全員その男に注目し始めた。

「あなたは50歳ですね?」
「そうですが、あと5分で日付が変わったら、51歳になるんですよ」

最後に質問された女性は、笑顔でそう答えた。

年齢を当てていた男の顔が、その途端に青くなった。

「凄いですね。百発百中じゃないですか」

私は男に話しかけた。すると、男は青い顔を私に向け、こう言った。

「……私が見えているのは貴方がたの寿命です」

関連記事

女性専用トイレ(フリー素材)

横に並んだ目

先日、地元の駅のトイレで覗きに遭ってしまいました…。 綺麗なトイレではないので普段は行きたくないのですが、その時は我慢出来ずに駆け込みました。 ※ 用を足し終えて立ち上がると…

目が赤い人

ある地方の女子高生が東京の大学に進学が決まり、東京で一人暮らしをする事になりました。 とあるマンションで生活を始めているうちに、ある日部屋に小さな穴が空いているのに気付きました。…

美術室(フリー背景素材)

眠りに落ちた美女

ある日、僕は学校の美術室の掃除当番だった。 早く終わらせて帰ろうと急いでいたら、一枚の絵が大事そうに飾られているのを見つけた。 その絵はとても綺麗な女の人の肖像画だったのだ…

ドアノブ(フリー写真)

テンキー

学生時代に住んでいたアパートの鍵はテンキーだったのだが、夜中の3時頃に部屋で漫画を読んでいたら、突然ドアノブをガチャガチャする音が聞こえた。 ビビったけど鍵を掛けているし大丈夫だ…

消える死体

ある日、しゃくに障る泣き声なので妹を殺した。 その死体は井戸に捨てた。 次の日、井戸を見に行くと死体は消えていたのだった。 5年後、些細なけんかで友達を殺した。 その死…

ホームパーティ

誕生日にホームパーティを開いた。 その時、家の中で俺を囲んでみんなで写真をとってら、変なものが映っちゃったのよ。 背後の押入れから、見知らぬ青白い顔の女が顔を出して、睨みつ…

かくれんぼ

昔、公園で友達とかくれんぼをした。 かなり広い公園で隠れるには困らないけど、問題は鬼になった時、ただでさえ広くて大変なのに友達4人とも隠れ上手。 鬼には絶対なりたくなかった…

姉のアトリエ

10年程前の話。 美術教師をしていた姉が、アトリエ用に2DKのボロアパートを借りた。 その部屋で暮らす訳でもなく、ただ絵を描く為だけに借りたアパート。 それだけで住ま…

黄色いパーカー

ある日、商店街の裏にある友人のアパートに行きました。 そのアパートの一階には共同トイレがあり、友人の部屋は一階の一番奥でした。 その後、友人の部屋で朝まで飲んでいたらトイレ…

若返り

老人「本当にこれで若返れるのか?」 男「ええ。我社の開発したこの機械はあなたの細胞から全盛期だった若い体を生成し、あなたの今の記憶を入れることで記憶はそのままに体だけは若返ること…