不気味なカセットテープ

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今から10年程前、俺が通ってた中学校はA県M市M中学校だった。

恐山のある街を検索すれば判ると思う。

校舎は3階建てで、職員室側と教室側に分かれてた。

職員室側は1階が給食室、2階が職員室、3階が音楽室と視聴覚室だった。

この話はその音楽室に関わる話。

後から聞いた話だと、音楽室に関係のあった女の子が自殺してたって聞いたけど、本当かどうかは知らん。

ただ、音楽室を通り抜けた先に階段があって、屋上に抜けるための階段が封鎖されてたのは覚えてる。

弟の時にも、その中学で自殺があったから割りと本当の事かもしれない。

でも、俺は心霊現象とか呪いはハッキリ言って嫌いだし信じたくない。

だから、誰か科学的に説明してくれると助かる。未だに耳に残ってるから。

俺が中学2年の合唱発表会の時だった。確か曲は「少年時代」を歌った気がする。

曲を決めて初めての音楽の時間で、伴奏の女の子は音楽室、それ以外は向かいの視聴覚室で練習をした。

最初の練習だったから、楽譜を渡されてCD聴いてるだけだったけど。

音楽の先生はうちの担任で、ショートカットの女の先生だった。

俺らの代で三十路になって、よくからかわれてた。

その先生がお手本のピアノ演奏を吹き込んだカセットテープが問題だった。

次の日、朝早くに学校に行くと伴奏の女の子がヒステリックに先生に話をしていた。

その女の子はバスケ部で気が強く、ヒステリックになることは良くあった。

しかし、そのとき変だったのは異様なまでに怖がっていたのだ。

女の子の周りにはいつも朝早く来る面子が集まっていて、数は5~8人ぐらいだったと思う。

その女の子が言うには、伴奏の途中に変な声が入っていた。

何かと思って耳を近づけたら変な言葉が聞こえる。

家で一人で聞いてたからすごく怖かった。

昨日も電話した通り先生に説明して欲しい、とのことだった。

先生は、

「テープは新品を使って音楽室の機材で録音したからそんなはずはないんだけど」

と女の子を宥めながら説明した。

女の子は先生に非がないのを知って余計に怖くなったのか

「とにかく聞いて下さい。聞きたくないので隣のクラス行ってます」

と言って教室から出ていった。

先生は教室にあるラジカセでそのテープを最初まで巻き戻した後、再生ボタンを押した。

「サー」というノイズとともにピアノの伴奏が流れだす。

最初の1分程は普通の伴奏だった。

「まだかよ」と思ってた頃にそれは来た。

ピアノの伴奏が急になくなり、「サー」というノイズだけが聞こえた。

次の瞬間、聞き取れない程の早口で何かを喋っている女性の声が聞こえた。

それは決して止まること無く、20秒程続いた後にプツリと終わり、すぐピアノ伴奏の続きが流れてきた。

「うわっ…」

「何これ…」

俺達だけではなく、先生までもが顔を真っ青にしてその場に立ち竦んでいた。

女性の声は明らかに機械で早送りにした感じではなく、人間では不可能な程の早口で何かを喋っている。

俺達の一人が先生に

「録音の機械とか壊れてたんじゃ…」

と言ったが、先生は

「私他のクラスの伴奏も昨日録音したからそれはないと思うけど…」

と呟くように言った。

そのとき、俺らの中の放送部の奴がこう言った。

「放送室の機材でスロー再生したらどうすか?」

この一言が、今でも俺の耳に残る、その声の原因になった。

放送室に行ったものの機材のスロー再生機能は申し訳程度のもので、殆ど速度は落ちなかった。

そこで、ちょっとでも聞こえるようにと音量を上げていくうちにかなりの大音量になった。

放送室には窓がなく、部屋自体も狭かったのでスピーカーの音が良く聞こえた。

カセットテープを早送りし、問題の部分が聞こえる手前で止めた。

カチッという音と共にピアノ伴奏が流れ始めた。

音量はかなり大きく耳が痛くなるくらいだった。

そして、先程の再生より僅かに音がゆっくりになった。

ピアノの伴奏が急に途切れ、「サー」というノイズだけが流れる。

次の瞬間、ラジカセで聞いたときと桁違いの大音量で女性の声が流れる。

女性の声は相変わらず早口だが先程よりは聞き易かった。

そして、僅かにだが聞き取れる単語があった。それは、

「心臓が××××××××××××して、心臓が×××××××××××、心臓が×××××××××××××××アアアアアアアアァアアアアアア心臓が××××××××アアァアアアアアアアアアア××××××××××××××××アアアアア心臓が×××××××××アアアアアアアアァアアアアアアアアアアアァ

心臓が×××××××××アアアアァアアアアアアア××××××××××××××××アアアアアアアアアア心臓が×××××××××心臓が×××××××××××あ××××××心臓が×××××××××アアアアァアアアアアアアアァアアア

×××××××××××××あぁぁアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァ××××××××××××心臓が××××××××××アアアアァアアアアアアア××××」

プツンと音が途切れいつものピアノの伴奏が始まった。

聞こえてきた言葉の異様さに心臓がバクバクと鳴っていた。

先生は

「私音楽室にいつも一人でいるのに…………聞かなきゃ良かった………」

と言った。

そうして先生は俺達に無駄だと思うけどと一応の口止めをして、そのテープを持って行った。

そのテープがどうなったのかは判らない。

その後、2ヶ月くらい先生が一人の音楽室で大音量で音楽流しまくってて笑った記憶があるw

ってのが、俺が中学の時にあった話。

伴奏の女の子は「心臓が」って言葉と「血管?血液?」って言葉が聞こえたらしい

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