愛猫の最後の挨拶

dsc02538_excerpt

うちの両親が体験した話。

もう20年も前の夏のことです。

私達兄弟が夏休みを利用して祖父母の家に泊まりに行っていた夜、当時とても可愛がっていた猫がいつまで経っても帰ってこない。

そのうち帰ってくるだろうと床に就いたのですが、深夜になって気配を感じた母が目を覚ましてみると、猫がひょっこり戻ってきて枕元にちょこんと座っていたそうです。

「一緒に寝るかい?」と言うと、

「ニャ~」と一声。

そして、またどこかに行ってしまったそうです。

その夜から完全に姿を消してしまったのですが、夏も終わる頃、物置の脇に積まれた木の切れ端の山の、ぽっかり空いた所に死んでいるのが見つかりました。

最後にお別れにきたんだなあ…と、今でもその猫のことは語り草になってます。

関連記事

機関車(フリー写真)

電車の幽霊

埼玉の三郷に操車場跡という所があります。地図にも載っています。 心霊スポットとしては途中のお化けトンネル(化けトン)が有名ですが、体験したのはその近くの建物です。 操車場は…

田舎の風景(フリー写真)

スルスル

土地の古老という言葉はすっかり死語ですが、まだ私の子供の頃にはいたんですよね。 土地の昔話や、若い皆さんは聞いたことも無いだろう『日露戦争従軍記』というものまで語ってもらったりも…

不倫はダメ

叔母さんが東京で友達とアパート暮らししてた時の話。 友達と服飾を目指し勉強中だった叔母は、友達とも毎日帰宅が深夜だった。 今では珍しくなった木造で、外側にカンカンと音が出る…

女性のシルエット(フリー素材)

赤の他人

俺は物心付いた時から片親で、父親の詳細は判らないままだった。 俺は幼少期に母親から虐待を受けていて、いつも夕方の17時から夜の21時まで家の前でしゃがみ込み、母親が風呂に入って寝…

夜道(フリー写真)

連れて帰ったもの

私が小学3年生の夏休みに体験した話。 私が住んでいた所は凄い田舎で、地域の子供会の恒例行事で七夕会があった。 七夕はもう過ぎているけど、要するに皆で集まって、クイズなどの出…

トンネルの女の子

ちょっと書かせてもらう。怖かったんだ。ほんとに怖かったんだ。 20数年生きてて心霊現象なんてついぞお目にかかったことがなくてさ。 怖い話は好きだけど、そんなの実際にはありえ…

顕微鏡

不穏な連鎖

土曜日のこと、あるイベントで地下1階の一室に数人と談笑していました。 部屋の隅に放置されていた新聞紙が、突如としてガサゴソと音を立てたのです。 その瞬間、新聞紙の周囲には…

天井裏

不可解な手紙

去年の暮れ、私が勤める編集プロダクションに一通の手紙が届きました。私宛ての名指しの手紙で、エッセイの添削と執筆指導を求める内容でした。 初めての事態に不信感を抱きながらも、返信…

赤ちゃんの手(フリー写真)

亡くなったはずの両親

私が12歳の時、両親が他界した。 私には三つ年下の弟が居たのだが、それぞれ別々の親戚に引き取られた。 一ヶ月も経たないうちに親戚の私に対する態度は冷たくなり、私は高校進学を…

かごめかごめ

この話は、実際に友人が遭遇した話で、彼もその場所はついに教えてくれませんでした。 実際に人が2人死に、彼も警察にしつこく尋問されたそうです。 これは私が大学時代にその友人か…