覗き込む女の子

45cedd0b9a

俺が小学校時代の担任から聞いた話。

大学の夏休みのある夜、友人から電話が掛かってきた。

その友人は俗に言う走り屋で、夏休み中はよく2人で夜中に一緒にドライブに行く仲だったので「またあいつからの電話かな」と思って電話に出た。

予想通り電話はその友人からだったのだが、友人は酷く取り乱した様子で「ヤバイものを見た」「今から行くから寝ないでいてくれ」と繰り返すばかり。

先生もただ事じゃないと思ったらしく、その友人が来るのを待った。

午前3時を回った頃、件の友人が家にやってきた。顔は青ざめ、酷く憔悴していた。

とりあえず飲み物を出し、友人が落ち着くのを待って話を聞いた。

以下、その友人の話。

夜中に軽井沢の方を走っていてふと助手席の方を見たら、助手席の窓に女の子の顔のようなものが写っていた。

何かの見間違いかと思ってもう一度助手席の方を見たら、その女の子が窓からこちらを覗き込むように睨みつけてきた。

ビックリしてスピードを上げて逃げようとしたら、車がいきなりエンストを起こして停まってしまった。

パニくった友人は車から逃げ出し、100メートルほど先にあったガソリンスタンドに駆け込んだ。

幸い、店員の人がまだ残っていたのでガクガクブルブルしながら「幽霊が出た!車が止まった!」と訴えた。

するとその店員は「それっておかっぱ頭の女の子ですか?」と訊いてきた。

その店員によると、ちょうど1年位前にその場所で女の子が轢き逃げに遭い、死亡する事件が発生した。

目撃情報によると逃げた車はスポーツカーで、その友人が乗っていたのと同じ車種だった。

しかし、犯人の行方は掴めず捜査は難航した。

その事件の後からそこで、

「おかっぱ頭の女の子を見た」

「そこを通りがかったら車がエンストした」

という話が頻発し、 その友人のように「幽霊が出た!」とスタンドに駆け込んでくる人が出てくるようになった。

その話を聞いた友人は青ざめたが、車を放置していく訳にもいかないので、店員と一緒に車を取りに行った。

幸いエンジンが掛かったのでスタンドまで持ってきて点検をしてもらったら、エンジン系統、燃料系統に異常はなく、エンストの原因は分からずじまいだった。

しかし、助手席側のドアに小さな子供の手形が付いていたという。

関連記事

幽霊ホテル

今から20年近く前の話です。高校を中退した私は、アルバイト三昧の生活を送っていました。学力至上主義の進学校に通っていたので、それまでの友人達との縁は完全に切れ、バイト先…

落ちていた位牌

寺の住職から聞いた話。近隣の村ですが、その村には立派な空家が一つあり、改装の必要なく住めるほど状態が良いものでした。近頃は都会の人が田舎暮らしを希望するIターンがはやり…

雑炊

妻の愛

ようやく笑い飛ばせるようになったんで、俺の死んだ嫁さんの話でも書こうか。嫁は交通事故で死んだ。ドラマみたいな話なんだが、風邪で寝込んでいた俺が夜になって「みかんの缶詰食…

カーテンの上から

10年以上前の話ですが…。大阪の某公園で、足を骨折して入院した時の出来事です。その病院は夜21時に消灯する所で、取り敢えずベッドに横になっていた訳ですが、少し経ってから…

星空の下(フリー写真)

白く光る顔

数年前、とある湖畔で朝釣りのためにキャンプをしていた時のこと。夜中の焚き火中に、「たすけてえええ!だれかあ!」と女性の声が湖の方から聞こえて来て、そちらに目をや…

餓鬼魂

もう30年程前になるか、自分が小学生の頃の話。当時の千葉県は鉄道や主要街道から少し奥に入ると、普通に林が広がっていた。市内にはそう広くない林が点在し、しかも民家から距離…

アパート

宗教団体のアパート

小学生の頃、友人にMちゃんという子がいた。Mちゃんの両親(特に母親)は宗教好きで、よく解らないけど色々やっていたようだった。家に遊びに行くと、絵の得意だった自分に半紙を…

死後の世界への扉

これは母から聞いた話です。私の曽祖父、つまり母の祖父が亡くなった時のことです。曽祖父は九十八歳という当時ではかなりの高齢でした。普段から背筋をぴんと伸ばし、威厳…

古民家(フリー写真)

トシ子ちゃん

春というのは、若い人達にとっては希望に満ちた、新しい生命の息吹を感じる季節だろう。しかし私くらいの年になると、何かざわざわと落ち着かない、それでいて妙に静かな眠りを誘う季節であ…

林道(フリー写真)

姥捨て山

俺の兄貴が小学生の頃、まだ俺が生まれる前に体験した話。兄貴が小学5年生の春頃、おじいちゃんと一緒に近くの山へ山菜採りに入った。狙っていたのはタラという植物の芽で、幹に棘…