鳴らない七枚目の板
平成六年の夏、岐阜の乗鞍の麓にある古いヒュッテで、山岳部の後輩が霧に巻かれたまま戻りませんでした。その晩、暗い廊下に立っていた後輩に、私はザックの底のことを頼ま…
続きを読む:鳴らない七枚目の板平成六年の夏、岐阜の乗鞍の麓にある古いヒュッテで、山岳部の後輩が霧に巻かれたまま戻りませんでした。その晩、暗い廊下に立っていた後輩に、私はザックの底のことを頼ま…
続きを読む:鳴らない七枚目の板学生だった夏に住み込んだ、山あいの湯治宿。毎年訪れる老人の腕には、皮を引き毟ったような痕が数えきれぬほどありました。奥山の眠り窪で眠れば病が消えるといいます。た…
続きを読む:湯治宿の帳面に日数がない客夜勤明けの深夜、空き家のはずの古い理髪店の板壁に、つまずいて右手を突っ込んでしまいました。すると壁の中から、汗ばんだ生暖かい手が、私の指を一本ずつ握り返してきた…
続きを読む:空き家の板壁夕暮れの古い鳥居の奥に灯る光をめぐる、不思議な話の実話怪談です。手招きするように灯った淡い光。近づくほど濃くなる靄と、背筋を這う冷たい感覚の正体を、祖母は声をひ…
続きを読む:神社の奥の光福井の洞ヶ谷ダムで拾った沈み木を水槽に入れてから、なぜか水位だけが下がるようになった怖い話です。等間隔にあいた四つの穴の意味を郷土誌で知ったとき、私は自分が何を…
続きを読む:沈み木にあいた四つの穴富山の八尾で風の盆が始まった夜、卒業以来一度も会っていない五人が、示し合わせもせずに同じ石畳へ揃った不思議な話です。輪になると足音だけが六つあり、半年誰も触れて…
続きを読む:風の盆の輪に一人多いミステリーを応援する
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