義理堅い稲荷様(宮大工9)

晩秋の頃。 山奥の村の畑の畦に建つ社の建替えを請け負った。 親方は他の大きな現場で忙しく、他の弟子も親方の手伝いで手が離せない。 結局、俺はその仕事を一人で…

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オレゴンの渦

アメリカ合衆国、オレゴン州グランツ・パスから50キロメートル程の地点に、磁場が狂った場所・オレゴンの渦(オレゴン・ヴォーテックス)と呼ばれる不思議な場所があ…

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女の誘い(宮大工8)

お伊勢参りの翌年、梅が開き始める頃。 山の奥にあるお稲荷様の神主さんから、お社の修繕依頼が入った。 そう、弟弟子の一人が憑かれたあのお稲荷様の社だ。 親方に…

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夢の中の男

| 世界の謎 | 都市伝説

画像の男をご存知だろうか? この男は「This Man」と呼ばれ、夢の中にだけ出てくると言われています。 事の発端は、2006年1月、ニューヨークの精神科に…

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7人ミサキ

私は四国の田舎の村出身ですので、幼小中と同じ地区の子供が集まり、殆ど面子が変わることはありません。 これは20年近く前、私が中学生だった頃聞いた話で、事件の…

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封じ(長編)

アパートに帰り着くと郵便受けに手紙が入っていた。色気のない茶封筒に墨字。間違いない泰俊(やすとし)からだ。 奴からの手紙もこれで30通になる。今回少し間が空…

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伊勢神宮参り(宮大工7)

オオカミ様のお社を修理し終わった後の年末。 親方の発案で親方とおかみさん、そして弟子達で年末旅行に行く事になった。 行き先は熱田神宮と伊勢神宮。 かなり遠い…

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オオカミ様の涙(宮大工6)

ある年の秋。 季節外れの台風により大きな被害が出た。 古くなった寺社は損害も多く、俺たちはてんてこ舞いで仕事に追われた。 その日も、疲れ果てた俺は家に入ると…

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広島県F市某町の『お札の家』

2年程前の話ですが、つい最近完結した話があるので書いていこうと思います。 長くなりそうで申し訳ないのですが、霊感0の自分が唯一味わった霊体験です。 広島県F…

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病気がちの少女(宮大工5)

年号が変わる前年の晩秋。 とある街中の神社の建て替えの仕事が入った。 そこは、幼稚園を経営している神社で、立替中には園児に充分注意する必要がある。 また、公…

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浅間神社の氏神様(宮大工4)

とある秋の話。 俺の住む街から数十キロ離れた山奥にあるA村の村長さんが仕事場を訪れた。 A村の氏神である浅間神社の修繕を頼みたいという。 A村は親方の本家が…

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蛇神様の奥宮(宮大工3)

お稲荷さま騒動から3年ほど経った晩秋の話。 宮大工の修行は厳しく、なかなか一人前まで続く者は居ない。 また、最近は元より、今から十年以上前の当時でも志願して…

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狐の社(宮大工2)

俺が宮大工見習いを卒業し、弟子頭になった頃の話。 オオカミ様のお堂の修繕から三年ほど経ち、俺もようやく一人前の宮大工として仕事を任されるようになっていた。 …

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