峠の先にあった灯り
深夜の山道を走るトラック運転手が、霧の中で見つけた古いドライブイン。店を出ると一時間以上の時間が消えていた。翌月同じ場所を訪れると、そこには建物の跡さえなかった…
深夜の山道を走るトラック運転手が、霧の中で見つけた古いドライブイン。店を出ると一時間以上の時間が消えていた。翌月同じ場所を訪れると、そこには建物の跡さえなかった…
七年ぶりの帰省。七歳の娘が庭の百日紅の根元で「白いシャツのおじいちゃん」と話したという。亡き祖父が残した言葉は、ずっと探していた形見への道しるべだった。…
祖母に頼まれて訪れた古い住宅街。初めて来たはずなのに、路地の先にあるものが全部わかる。私の中にある、知らない誰かの記憶の正体とは。…
深夜の温泉旅館で警備を務める男が、誰もいないはずの大浴場で繰り返し目撃した不可解な現象。湯気の向こうに見えたものは、今も説明がつかない。…
出張で初めて訪れた地方のビジネスホテル。部屋の全てに既視感を覚える中、ベッドサイドの隙間から見つけたメモには、自分の筆跡で警告が書かれていた。…
帰省した実家で、一人暮らしの母が誰かと話しているのを見た。声の主を確かめようとするうちに気づいた、不思議で少し怖い体験談。…
出張先のビジネスホテルで泊まった307号室。翌朝フロントで言われた「3階はございません」という言葉の意味とは——実話風の不思議な体験談。…
実家に帰省した夜、幼い頃よく遊んだ神社に立ち寄った。そこで一人の老婆に声をかけられた。彼女は、十年以上前に亡くなった俺の祖父のことを知っていた。…
出張帰りに終電を逃した俺の前に、時刻表にない列車が滑り込んできた。車内には誰もおらず、窓の外には見たことのない駅名が次々と流れていく——不思議な異世界体験談。…
盆地の独身寮に転勤してきた同僚は、窓から煙突が見えると言って四週間ごとに部屋を替えていました。彼の郷里に残る煉瓦の煙突と、その根元に縦に彫られていた名前の列。二…
机の天板がすべて液晶になった、八千万円の教室。まばたきの減っていく子どもたち、誰も座っていないはずの一台、そして電源を落とした画面に残る白い像。養護教諭の目を通…
家に伝わる決め役という役目。姪の病で実家が土地を手放そうとした夜、母は私に電話をかけたと言います。しかし私は、その電話を取っていません。発信元は、十六年前に解約…
鏡に映った自分の目を見つめ、「お前は誰だ」と問いかける。ただそれだけのまじないに、悪友の修二はのめり込んでいった。やがて電話越しに聞こえたのは、聞き覚えのない平…
苦手だった実家の犬ゴン。その犬が世を去って数年後、深い眠りの中で夢に現れ、私にある宣告を残した。目覚めると天井はやけに高く、隣には見知らぬ男が眠り、鏡には一匹の…
深夜の暗く狭い路地で、旧友は喪服の行列に出会い『これは誰の葬式ですか』とうっかり尋ねてしまいました。返ってきた答えは、なんと、自分の名前でした。古い城下町に伝わ…
雪深い町の古い図書館に勤める私のもとへ、痩せこけた見知らぬ男が毎朝「僕のお母さんですか」と問いかけてきます。不気味な日々の果て、大火事の夜に彼がとった行動と、六…
深夜の商業ビルで警備員をしていた私は、午前三時、屋上を映す監視カメラに白い人影を見つけました。天使だと思おうとしたそれは、夜ごと一階ずつ階段を降り、私のいる警備…
夏の夜、峠を越える車の中で、幼なじみの一人だけが『光る虫がいる』と言い出しました。走る車から笑いながら飛び降り、暗い山へ消えた彼。壊された峠の祠と、『山で名を呼…
民俗調査で山あいの集落を訪れた私は、当主『おもてさま』の写真を撮ることを固く禁じられました。写真はいけない、けれど絵ならと甘く考えた私が、犯してしまった過ち。仏…
すべてを失い、北の森の山小屋でひと冬を越すことにした私。二度目の大雪の後、体の芯が凍え、隣で眠る相棒がなぜか旨そうに見え始めます。飢えに憑かれ人でなくなっていく…