先積みの箱は伝票にない
去年の4月から今年の6月まで、私は同じ依頼主の単身引越を三度運んだ。そのたびに、伝票に載っていない無地の段ボールが一つ、鍵を開ける前から新しい部屋の玄関に置かれ…
知っているようで知らない、都市伝説の世界へ。口コミで広がる怖い話、実在するともされる噂、身近な場所に潜む謎——都市伝説まとめを読めるコーナーです。
去年の4月から今年の6月まで、私は同じ依頼主の単身引越を三度運んだ。そのたびに、伝票に載っていない無地の段ボールが一つ、鍵を開ける前から新しい部屋の玄関に置かれ…
市役所で公共の時計を合わせて回っていた頃、広場の時計塔だけが二分進む時計だった。何度直しても翌月には必ず同じだけ先を指している。明治の頃まで町中に時を配っていた…
昭和五十八年、市役所の宿直室で夜間の代表電話を受けていた私に、毎月十三日の同じ時刻だけ、同じ声が橋のたもとの街灯の不具合を告げました。番地を辿ると、そこは区画整…
神田の古書店に、同じ一冊が三度持ち込まれた。臙脂の布装、貼られた貸出票、十七の罫のうち十三の行だけが白い。借りた覚えのない本の、その行に自分の字があった日から、…
昭和五十一年、城下町の電話局で度数計の数字を読み写す仕事に就いた。誰も加入していない空き番号の計器だけが、毎月七ずつ増えていく。更衣室のロッカーは一つ減り、記念…
昭和の城下町で区画整理の測量をしていた私は、公図にだけ残る十三番目の区画に気づく。日が暮れる境の時刻に北のはずれの角を曲がると、表とそっくりの裏の町が広がってい…
山あいの町の役場の窓口で、雨の日になると、誰も押していないのに番号札がひとつ進む。机の隅に現れるのは、もう人のいない集落への古い転入届だった。毎年ちがう筆跡で、…
長距離トラックの運転手だった私が、先輩から授かった助手席のベルトを締める習慣。三十年欠かさず守ってきたその儀式が、還暦を過ぎたある夜から少しずつ崩れていく。締め…
虫送りの火が夏の田を照らす夜、藁の実盛さまには目がなかった。背負って川へ送る私の後ろで、もうひと組の足音が鳴った。振り返ってはならぬ決まりの先で、人形の顔にいつ…
夜の古井戸から、誰かが釣瓶で水を汲む音が響く。ダムに沈んだ村跡に建つ道の駅で深夜清掃をする七十代の私が、固く蓋をされた井戸の底に見たのは、嫁いだ頃の若い自分の姿…
能登の小さな漁港で出会った時空のおっさんと、後日漁協で見つけた古い写真にまつわる不思議な話。真夏の早朝に起きた、説明のつかない実話体験談。…
岐阜・飛騨の山あいに残る旧高山本線の廃トンネル跡で起きた不思議な話。元保線員から聞いた、走らない最終便と紙の上にだけ残った時刻表。鉄道ライターが体験した一夜の実…
千葉県湾岸の工業地帯を夜に歩いていた女性が遭遇した、時空のおっさんと十二分の不思議な話。音が消え、信号が固定され、知らない道を歩いていた体験談。…
深夜のタクシー無線に、営業所が出したはずのない配車指示が入るようになった。訪ねた住所はいつも更地だった。『三時台の住所』と呼ばれる怪異を、個人タクシー運転手が淡…
帰省した朝、幼い頃通った商店街が消えていた。地図にも記録にもない。でも古い写真の中には確かにあの商店街がある。地元の老婆が言った。「覚えていると、他のものが消え…
築45年の木造アパートの階段は十二段。それを私は毎晩数えて上る。ある夜、十三段目を踏んだ。そこにあるはずのない踊り場と、開いたままのドア。…
古代イスラエルの王として知られるソロモンは、“悪魔を召喚して意のままに操った”と語られる伝承を残している。 彼が呼び出したとされる悪魔は全部で72体。 そのうち…
1979年6月21日午前3時頃。 兵庫県姫路市野里の路上で、一人のタクシー運転手が震える声で110番通報をしました。 「腰まで垂れる長い髪、真っ赤な口が耳元まで…
人類史上、最も偉大な天才物理学者と称されるアルバート・アインシュタイン。 彼の導き出した相対性理論をはじめとする数々の研究成果は、今も世界中の科学者たちの道標と…
「鳥山明ロード」という、いささか奇妙な都市伝説をご存じだろうか。 ※ それは、日本を代表する漫画家・鳥山明氏が、地元愛知県から東京への引越しを考えたことに端を発…