カテゴリー: ほんのり怖い話

じわじわ来る、あの感覚。大きな叫び声や派手な演出ではなく、日常の中にそっと潜む怖さ——ほんのり怖い話は、読んだ後もしばらく頭に残る静かな恐怖を描いています。「佐々間のおばちゃん」をはじめ、日常に紛れ込む静かな怖さを約400話収録しています。

厄

成績だけで生徒を差別する担任教師から、二年間ずっと嫌がらせを受け続けた同級生の澪さん。いつも笑っていた彼女が卒業の日に呟いた「ぜんぶ、返すから」という言葉。その…

葬列

深夜の暗く狭い路地で、旧友は喪服の行列に出会い『これは誰の葬式ですか』とうっかり尋ねてしまいました。返ってきた答えは、なんと、自分の名前でした。古い城下町に伝わ…

名も知らぬ息子

雪深い町の古い図書館に勤める私のもとへ、痩せこけた見知らぬ男が毎朝「僕のお母さんですか」と問いかけてきます。不気味な日々の果て、大火事の夜に彼がとった行動と、六…

イタズラ好きな何か

子どもの頃、私のそばにはいつも、姿の見えない「いたずら好きな何か」がいました。肩を叩き、時計を狂わせ、ときに私を危険から守った、その正体とは——。やがて知ること…

カブト虫

夏の夜、峠を越える車の中で、幼なじみの一人だけが『光る虫がいる』と言い出しました。走る車から笑いながら飛び降り、暗い山へ消えた彼。壊された峠の祠と、『山で名を呼…

金曜だけ来る灰色のセダン

丘の上の療養病棟。金曜の夕方になると、玄関の前に灰色のセダンが停まりました。娘が迎えに来るのだとKさんは言います。けれど面会名簿の欄はいつも空白で、防犯カメラの…

見えない壁

二十年前の秋、城下町の寂しい県道で、俺は見えない壁にぶつかった。透明で、磨いた石のように固い壁。引き返した直後、一台の軽トラックが、何もない道で潰れた。土地が静…

湯治宿の帳面に日数がない客

学生だった夏に住み込んだ、山あいの湯治宿。毎年訪れる老人の腕には、皮を引き毟ったような痕が数えきれぬほどありました。奥山の眠り窪で眠れば病が消えるといいます。た…

空き家の板壁

夜勤明けの深夜、空き家のはずの古い理髪店の板壁に、つまずいて右手を突っ込んでしまいました。すると壁の中から、汗ばんだ生暖かい手が、私の指を一本ずつ握り返してきた…

風の盆の輪に一人多い

富山の八尾で風の盆が始まった夜、卒業以来一度も会っていない五人が、示し合わせもせずに同じ石畳へ揃った不思議な話です。輪になると足音だけが六つあり、半年誰も触れて…

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