公開日: ほんのり怖い話

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高校の頃の同級生、Aちゃんにまつわるほんのり話。

自分で言うのもなんだが、母校は地元でも有名な進学校。

女性担任が成績の良い生徒には優しく、悪い生徒には冷たい典型的な学歴コンプのえこひいき先生だった。

私も成績は良くないほうだったのでそいつに結構嫌味を言われたが、中でもAちゃんというクラス一の落ちこぼれの子に対する態度が酷かった。

Aちゃんはクラスでは成績が悪かったが性格は明るく真面目でいつもニコニコしてて優しく誰からも好かれる性格。それが余計奴の癇に障ったようで、Aちゃんはたびたび無視や嫌味などの嫌がらせをされていた。

武道系の部活に入っていたAちゃんに対し、

「教室がなんか防具臭くない?Aさんちょっと顔と手洗ってきなさい。ほら早くしなよ、臭いんだよ」

と追い出したり。

担任は担当科目が家庭科だった。ある日、実習でキャベツを刻んでいたときのこと。

明らかに粗いきしめんみたいなキャベツを刻む優等生を褒めまくる担任。

担任「(優等生)さんはキャベツを刻むのも上手ね~。それにくらべて…こんなゴミみたいなキャベツ、食べられないわね。汚いし」

そう言ってAちゃんの刻んでいた凄く細かくて綺麗なキャベツを掴んだかと思うと流し台にぶちこんだ。その後にキャベツの芯をAちゃんの顔に向かって放り投げて、

「ほら、やり直し。食材無駄にしないでよ、学校のお金なんだから」

と言い放った。

さすがに数人が抗議したが担任は何事もなかったかのようにスルー。授業のあとに私と友人数人でAちゃんを気遣ったが、Aちゃんは

「だいじょうぶ、だいじょうぶ」

とニコニコするだけだった。

その後もAちゃんに対する担任の嫌がらせは続いたが、ついに卒業を迎え、卒業後にクラス会を開くことになった。

クラス会に来た子達はほとんどが都内の有名大学に進んだが、Aちゃんは家の都合で都内には行けず、地元の国立大学に進んだ。担任は席の端に座っている子から順番に一人ひとり近況を聞き、有名大学に進んだことを褒めまくった。

ただ、Aちゃんの順番になっても担任はあからさまにスルー。見かねた子が一人、

「先生、Aさん忘れてる!」

と冗談めかしながら言ったが、担任はなんと

「あら?そんな人いたかしら?まさかいないわよねー、地元のイモ大学に進むような落ちこぼれなんて。場違いだし」

と一言…。

場が凍りついたがなんとか取り繕ってクラス会は終了。下を向いて唇を噛みしめていたAちゃんの顔が忘れられなかった。

私はいたたまれなくなりクラス会の後にAちゃんに

「Aちゃん大丈夫?あいつ(担任)のことは気にしないようにね」

と話しかけた。

「(私)ちゃん?大丈夫、ありがとうね。もう大丈夫。もうそろそろだから。」

とAちゃんはニコリと笑った。

「そろそろって?」

と聞く私に対し、Aちゃんは

「(私)ちゃんも(担任の)嫌がらせによく耐えて来たね。でももう大丈夫だから。」

と言ってニコニコ笑うだけ。

その時点では意味がよくわからなかったが、とりあえずAちゃんとはその場で挨拶をして別れた。

それから一週間もしないうちだった。担任が亡くなった。

死因は脳溢血。発見されたときには既に手遅れの状態だったとのこと。

葬式の焼香に来たAちゃんはうっすらと微笑んでるような顔をしていた。担任の娘さんもショックから鬱病を発症し、後を追うように自殺した、とのことだった。

それから数年が経ち、公務員として働いているAちゃんに再会した。Aちゃんはこんなことを言った。

「こんなこと言ったらドン引きされるかもしれないけど、(私)ちゃんには教えてあげる。私ね、自分に向けられた悪意とか、厄とかをね、まとめてその相手に返す…っていうのかな?そういうことができるっぽいんだ」

Aちゃん曰く、ちょっと嫌がらせされた場合に返すと相手に死なない程度の災いが必ず返っていくらしい。Aちゃんは3年間(Aちゃんは3年間担任が同じだった…)担任からの厄を溜め込み、それを卒業後に一気に返っていけ!と念じたらしい。

「まさか、死ぬとは思わなかったけどね。娘さんにまで返っていくとも思わなかった。」

そう言ってAちゃんは笑った。

それ以来、人の嫌がることは絶対にしないようにしろ、と子供達にも教えています。

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