沈む村の溜池に沈めたもの
昭和のダム計画で、水に沈む村を一軒ずつ調べていた私たちは、外れの溜池にある、触れてはならない古い石蓋を起こしてしまう。やがて主任は知らぬ名を点呼のように呼び始め…
夜中に一人で読んではいけない、と分かっていても止まらない。背筋がぞっとする怖い話・ホラー短編をまとめました。実話風の体験談から本格的な怪談まで、幅広い怖い話を揃えています。約500話を収録。1話数分で読める実話風の短編が中心なので、まとめ読みにもどうぞ。
昭和のダム計画で、水に沈む村を一軒ずつ調べていた私たちは、外れの溜池にある、触れてはならない古い石蓋を起こしてしまう。やがて主任は知らぬ名を点呼のように呼び始め…
怖い話。深夜に取材音源を文字起こしする四十代のライターが、二人だけのはずの対談に低く混じる三人目の声に気づく。相づちはやがて録音の中の会話ではなく、いま聞いてい…
怖い話。北国の表具師が亡き師匠の蔵で見つけた黒漆の函には、決して数えてはならない結び目があった。山の向こうへ渡り戻らぬ集落の人々の面影を結いこんだ数え函。数える…
物流倉庫の夜勤で、棚の最上段に立つ作業員の影を見るようになった。誰もいないはずの位置に静かに立つその影は、夜が更けるたびに少しずつこちらへ近づいてくる。防犯カメ…
佐賀県北部の農村に帰省するたび、旧街道の石地蔵を数えてきた。六体だったはずの数は、いつの間にか十一体に。図書館で見つけた郷土史の記録と数が重なったとき、父の「増…
祖父の一周忌で岡山の山間集落に帰省した私は、長老から囲炉裏の火番を頼まれました。三日間、朝五時まで火を絶やさない夜に見た、六軒の窓の灯りと畦道を歩くものの話です…
毎月の夜間点検で、川向こうの同じ場所に立っていた向こう岸の人。祠に残された白黒の写真と、葬儀の席で見た一枚の顔が重なった夜の記憶を、水利組合員が語ります。…
三十年前の秋、出張先で車が止まり、夕暮れの農道を歩いていた。段々畑の人影は片足で腰をくねらせ、顔のないまま近づいてくる。老人が語った田の番の言い伝えと、三年後に…
父から引き継いだ棚田の水路管理には、「向こう岸に何かいても、見るな」という言いつけがありました。ある夜の見回りで、用水路の向こうに人の形をしたものを見た翌朝、十…
建て替え前の旧病棟。空室のナースコールが瞬き、担当一覧に知らない名前が混ざる。三時十四分、私のIDで誰かが彼女のカルテを開いていた。…
深夜のタクシー無線に、営業所が出したはずのない配車指示が入るようになった。訪ねた住所はいつも更地だった。『三時台の住所』と呼ばれる怪異を、個人タクシー運転手が淡…
長距離トラック運転手が深夜の峠でエンジントラブルに見舞われた夜、山の斜面に灯りを見つけた。暦は昭和三十八年を示し、老婆は「夜明け前に出ないと外には戻れない」と言…
廃駅での撮影ロケ中、カメラのファインダー越しに奇妙な影を見た。フィルムを現像すると、肉眼では何もなかったはずの場所に、人の形をした影が三つ四つ並んでいた。…
祖父の七回忌で帰省し、遺品整理をしていると古い連絡帳が見つかった。亡くなった人の名前に命日が書き込まれていた。そして最後のページには、自分の名前があった。…
帰省した朝、幼い頃通った商店街が消えていた。地図にも記録にもない。でも古い写真の中には確かにあの商店街がある。地元の老婆が言った。「覚えていると、他のものが消え…
廃線になった長野の山間部の駅跡を取材した写真家が出会った老人。宿で写真を確認すると、老人の影だけが最初から写り込んでいて、しかもその影の向きが太陽と逆方向だった…
漁師の俺が深夜の波止場で見た人影は、三ヶ月前に嵐で消えた仲間の健介にそっくりだった。倉庫に消えた影、空き缶、そして春先に上がった水死体——あれは何だったのか、今…
深夜の漁港で一人釣りをしていた男性が体験した不可解な出来事。引き潮の時間帯に聞こえてきた声の正体とは。実話風の怖い話。…
四国の山間の集落で、封印が崩れた八尺様に魅入られた青年の恐怖体験。祖父母と霊媒師の必死の護りの中、一夜を過ごした先に待っていたものとは。…
深夜の配送で立ち寄った山奥の集落。そこにいた老人は何度も同じ話を繰り返した。…
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