タグ: 実話

犯罪者に縁のある私

幽霊より、生きている人間のほうが怖い。九歳で出会った優しい常連客から、夜道の襲撃、そして抑揚のない声で同じ言葉を繰り返した車の男まで。犯罪者とばかり縁のある私の…

薄い壁の向こうで鳴る鈴

築四十年の安アパートに越して三日目の夜のことです。薄い壁の向こうから、低い声が聞こえてきました。リン、リリン。鈴を真似たようなその声は、月に一度だけ、壁に口を押…

ため池の跡に建った家

瀬戸内の窯業の町で、大きなため池が埋め立てられ、広い更地になりました。ため池の跡は絶好の遊び場でしたが、地元の子は誰も真ん中へは行きません。真ん中まで走っていく…

年齢当ての男の白い顔

終電を逃して乗った深夜の特急に、灰色のコートを着た痩せた男が乗ってきました。年齢当ての男は、乗客の歳を次々と言い当てていきます。けれど奥の席にいた女性の誕生日を…

門前を左回りに掃いた日

愛知の常滑で育った私が、中学生だった秋の夕暮れに、寺の脇道で出会った黒い回転する毛の塊。十年後、図書館の妖怪図鑑でその正体を知り、さらに、あの日の門前に残ってい…

神社の奥の光

夕暮れの古い鳥居の奥に灯る光をめぐる、不思議な話の実話怪談です。手招きするように灯った淡い光。近づくほど濃くなる靄と、背筋を這う冷たい感覚の正体を、祖母は声をひ…