白い木造建築

公開日: ほんのり怖い話

古い木造アパート(フリー写真)

私が大学生の時に住んでいた部屋は、妙に雰囲気が悪かった。

日当たりは悪くないのに、何処となく薄暗いような感じがする。

いつもジメジメしていて、普段から気分が鬱々としたものだ。

当時は『建物が安物件だからかなあ』くらいに思っていたのだけれど…。

同じ敷地内に住んでいる大家さんの息子は、心を酷く病んでいる方だった。

極度の妄想癖を抱え、病的な躁状態に陥ることもあった。

彼は僕が入居してから半年後に精神病院に入院した。

一年後、退院された時には見違えるほど回復していた。

すっかり常識人のような物腰で、話すこともまともだったし、外見も15歳は若返ったかのように見えた。

他人事ながら『良かったなあ』と思っていた。

ところが恐ろしいことに、ほんの二日程で元の木阿弥になってしまった。

薬が切れたから? それにしても酷い変わり様だった。

彼は合い鍵を持っていたので、少し身の危険を感じることもあった。

夜中に突然ドアを開けて入って来ることもあり、その時は彼の『発明』についての話を長々と聞かされたりしたものです。

早く引っ越せば良かったのに、入居している時は何故かそこを離れてはいけない理由が次々と思いついてしまい、なかなか転居することができなかった。

今思えば不思議なのだけれど、結局二年半もそこに住み続けた。

路地の奥まった場所、それも行き止まり。生い茂る緑に建物は殆ど隠されていて、通行人からは見えない白い木造建築。

友人以外の不意の来客、セールスなどはただの一度も訪ねて来ることはありませんでした。

少女

喋れない幼馴染

少し長くなりますが、実体験を書き込みます。 俺がまだ小学生の頃、家の隣に幼馴染A子がいた。A子は喋ることができなかった。 生まれつき声帯が悪かったらしい……。更に、ここでは…

旅館(フリー写真)

不思議なおばあちゃん

小学校の修学旅行で泊まった旅館で体験した話。 風呂に入るため大浴場へ皆で移動している時、向こうから三人組のおばあちゃん達が歩いて来た。 その中の一人のおばあちゃんが俺と目…

伊勢神宮参り(宮大工7)

オオカミ様のお社を修理し終わった後の年末。 親方の発案で親方とおかみさん、そして弟子達で年末旅行に行く事になった。 行き先は熱田神宮と伊勢神宮。 かなり遠い所だが、三…

ラーメン屋

ある大学生が買い物の帰り、小腹が空いたのでたまたま目についたラーメン屋に入った。 特に期待はしていなかったのだが、これが意外と美味くて彼はご機嫌だった。 帰り際に「おばちゃ…

蜘蛛の巣(フリー画像)

クモ様

我が家は東北の片田舎にある古い一軒家。 うちでは昔からクモを大事にする習慣があり、家には沢山のクモが住み着いてクモの巣だらけ。 殺すなどもっての外で、大掃除の時もクモの巣を…

長袖の下に

小学校の時に転校してきた奴で、少し変わった奴がいた。 家はやや貧乏そうで、親父さんがいないみたいだった。 お袋さんは2、3回見たことがあるけど優しそうで普通に明るい人だった…

妖怪カラコロ

専門学生の頃に深夜専門でコンビニのアルバイトをしていた時の話。 ある日の午前1時頃に駐車場の掃除をしていると、道路を挟んだ向こう側の方から何か乾いた物を引き摺るような、 「…

山道(フリー写真)

やまけらし様

俺の家は物凄い田舎で、学校へ行くにも往復12キロの道程を自転車で通わなければならない。 バスも出ているけど、そんなに裕福な家でもないので、定期を買うお金が勿体無かった。 学…

肝っ玉おかん

以前付き合っていた彼女に聞いた話。 小学校4年生くらいの頃、夜中に枕元に気配を感じて目を覚ますと、白装束に狐の面を被った何者かが立ってこちらを見ていたそうです。 何をするわ…

透視

超能力者の苦悩

友人はあるネトゲのギルドに属していたんだが、なかなか人気があり、そこそこの地位を得ていたらしい。 そんな友人はネトゲ内での友人達も多かったのだが、ひと際異彩を放つプレイヤーがいた…