電気代が告げた真実

冷蔵庫

ある新婚夫婦が、念願のマイホームを購入するため、不動産屋を訪ねた。

二人は物件を探す中で、少し古いが条件に合った一軒家を見つけた。
和風の造りで趣があり、値段の割にはとても良い家だった。

引っ越し後、新しい生活は順調に始まり、一年ほどが過ぎた。

※

その年の夏、妻は家計簿をつけながら、ふと違和感を覚えた。
電気代が異様に高いのだ。

家は風通しが良く、真夏でもクーラーの必要がない。
妻は普段からこまめに電気を消し、節約を心がけていた。

それなのに、請求書に並ぶ数字は、どう見ても使い過ぎの額だった。

妻はすぐに電力会社へ連絡したが、「計算に間違いはありません」と取り合ってもらえない。
やがて、後日職員が直接確認に来ることになった。

※

真夏の昼、二人の職員が訪れ、汗を拭いながら家中の電線を調べた。
しかし、異常は見つからない。

妻は納得がいかなかったが、職員が帰り支度を始めたため、しぶしぶ諦めかけた。

その時、もう一人の職員が、茶の間を通る一本のコードに目を留めた。
途中で二股に分かれているのだ。

調べてみると、その先は畳の下へと続いていた。
妻の承諾を得て畳を外すと、コードは床下を通り、さらに土の中へと伸びている。

職員たちは異様な気配を感じ、借りてきたシャベルで掘り始めた。

そして、数分後。

「……なんだこれは」

土の中から現れたのは、古びた冷凍庫だった。

※

冷凍庫は茶の間へ引き上げられ、ゆっくりと蓋が開けられた。

中には、全身が氷に閉じ込められた若い女性の裸の死体があった。
長い髪は凍りつき、内壁に張り付いたまま乱れ、瞳は恨めしげに見開かれている。

妻は息を呑み、職員たちは声を失った。
茶の間には、冷気とともに重い沈黙が漂った。

※

――もし、あなたの家の電気代が異様に高いと感じたら。
その理由は、思いもよらぬ場所に潜んでいるかもしれない。

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