止まった十秒
高校の中庭で、世界がぴたりと止まった、あの十秒間。視覚以外の五感がすべて消えたその時を境に、親友との関係も、座席も、自分の記憶までもが、少しずつずれ始めました。…
気づいたら、そこは知っているようで知らない場所だった。きさらぎ駅、ループする道、消えた駅——異世界体験・パラレルワールドに迷い込んだ実話風の不思議な話を集めました。「異世界に行った話 実話」を探している方はこちら。「時空のおっさん」「きさらぎ駅」といった有名どころから独自の体験談まで、280話あまりを収録しています。
高校の中庭で、世界がぴたりと止まった、あの十秒間。視覚以外の五感がすべて消えたその時を境に、親友との関係も、座席も、自分の記憶までもが、少しずつずれ始めました。…
仕事帰り、行きつけの深夜の古書店へ向かいエレベーターを六階で降りると、視界一面が真っ白だった。匂いも音も消えた空間、灰色の服の男、トオリヌケという言葉、そして消…
早朝、缶コーヒーを買いに出た私を待っていたのは、毒々しい紫色に染まった空でした。見知らぬ自販機、顔のない異形、漂う生臭さ。命からがら家に帰ると、父が静かに口にし…
仕事帰りに電車で寝過ごし、降りた駅は「ゆやみ」という見知らぬ無人駅でした。鳥居、濁った目の老婆、山に灯る提灯、そして手を引く男の子。帰宅後にいくら調べても、その…
目をつぶって三回まわると、知らない場所に立っている――三歳の遊園地、五歳の海辺で実際に起きた瞬間移動の体験談です。祖母が顔色を変えて止めた理由、回ったまま戻らな…
昭和の終わり、神奈川県の駅ビルで起きた不思議な話です。階段もエスカレーターも使わず、決まった角を曲がるだけで三階から四階へ――再現できる「近道」、七分ずれる柱時…
深夜の雑居ビルでエレベーターの扉が開くと、そこは一階のロビーではなく、夜の野原だった。匂いも、音も、確かにあった。降りなかった私に警備員が漏らした一言が、今も忘…
夕暮れの古い鳥居の奥に灯る光をめぐる、不思議な話の実話怪談です。手招きするように灯った淡い光。近づくほど濃くなる靄と、背筋を這う冷たい感覚の正体を、祖母は声をひ…