地下の点検口から星ひとつ
川沿いのマンションで管理員をしている私のタブレットに、毎朝3時14分、住戸のない地下1階から修繕依頼が届く。件名は「開けてください」。地下の点検口は溶接され、1…
川沿いのマンションで管理員をしている私のタブレットに、毎朝3時14分、住戸のない地下1階から修繕依頼が届く。件名は「開けてください」。地下の点検口は溶接され、1…
コンビニの深夜バイトで出会った、午前三時にきっちり現れる不思議な常連客。防犯カメラに映らないのに、礼儀だけは完璧だった。…
石川・七尾の一本杉通りの福引所には、パイプ椅子が一脚だけ開いたまま置いてあります。木の箱に手を入れた孫の耳元で「それだっ」と怒鳴った祖父の声と、六等の日本酒の裏…
霊感ゼロの二十九歳が、有名な幽霊屋敷の貸家を訪ねた帰り、実家の母から電話が入った。居間に現れた黒い袈裟の僧と、茶を出さなかった母。電話口の声はやけに落ち着いてい…
幽霊騒ぎの続く会社の寮で、視える俺と嗅げる人のZが一晩を明かした。胸の上に乗ったのは、頭が野球ボールほどの黄色い服の女。Zのニオイ分析が始まると、幽霊の方が先に…
苦手だった実家の犬ゴン。その犬が世を去って数年後、深い眠りの中で夢に現れ、私にある宣告を残した。目覚めると天井はやけに高く、隣には見知らぬ男が眠り、鏡には一匹の…
築四十五年の学生アパートで金縛りに遭い、窓一面を埋め尽くす無数の顔と目が合った夜。幽霊の知識がない私がとっさにした「あるお願い」で、顔たちは揃って呆れ顔になり消…
築四十年の安アパートに越して三日目の夜のことです。薄い壁の向こうから、低い声が聞こえてきました。リン、リリン。鈴を真似たようなその声は、月に一度だけ、壁に口を押…
山形・鶴岡の古い下宿に住んでいた学生の頃、私は週に二、三度は金縛りにあっていました。ある晩、首の両脇にもっさと降ってきたのは、長い黒髪ではなくアフロのかつらでし…
三河・岡崎の花火師だった爺ちゃんは、打ち上げの朝、必ず空へ「今日は借りるで」と頭を下げる人だった。旅立ったあと、墓の手続きや法事の日にだけ判で押したように降り続…
尼崎の駅裏、築四十年の扇栄ビルの遅いエレベーターには、灰色の背広の先客が出るという。残業帰りの夜九時、うっかり放った一発が招いてしまった気まずすぎる遭遇と、管理…
松山の商店街の裏、元銭湯の二階に家賃三万五千円で住んだ三年前の話です。風呂場の電球だけが切れ続け、夜の十時四十分になると壁が決まって三つ鳴りました。乾物屋のおば…
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