ある日、僕は学校の美術室の掃除当番だった。
早く終わらせて帰ろうと急いでいたら、一枚の絵が大事そうに飾られているのを見つけた。
その絵はとても綺麗な女の人の肖像画だったのだが、少し不気味で目に特徴があった。
とても大きな瞳でこちらを見ている気がした。
何だか怖くなり、急いで掃除を終わらせて帰った。
※
次の日、学校は大騒ぎになっていた。例の美術室の絵が盗まれたのだ。
最後に絵を見たということで、僕は美術の先生に色々聞かれた。
「なるほど、掃除をしてた時にはちゃんとあったんだね」
「間違いないです。あの絵は高価な物なんですか?」
「あれは『眠りに落ちた美女』と言って、私の知人の画家が自分の娘の寝顔を見て描いたものなんだ。画家も娘ももうこの世に居ないけどね」
「そうなんですか…」
※
あの絵は結局見つからなかった。
不思議なことに泥棒が入った痕跡は無かったらしい。
※
編注: 寝顔を描いたという絵が、大きな瞳でこちらを見ていた。
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