逃げなきゃ

公開日: 意味がわかると怖い話

homes-bazzano-residence-post-beam-home

深夜、2階の自室で眠っていた私は、階下の妙な物音に気付いてふと目が覚めた。

「玄関から誰か入って来た…?」

そう思った瞬間、バクバクと鼓動が早まった。

夕方見たニュースが頭をよぎる。

『殺人犯、近辺に潜伏中か?捜査大詰め段階』

急に脇の下に冷たい汗が流れるのを感じた。

幸い、侵入者はまだ1階にいるらしい。

「早く逃げなきゃ!」

恐怖のために固まった体を必死で動かし、物音を立てないよう静かに窓辺へと向かった。

忍び足で階段を登ってくる気配がする。侵入者はもうすぐそこまで迫っているのだ。私は窓から屋根に降り、ジリジリと遠ざかる。

屋根の縁に手を着き、庭へ足が届いた時、真上にある私の部屋の電気がパッと付いた。

「ヤバイ!」

私はもう無我夢中で庭を抜け、夜の街を走った。

あの時、逃げるのが少し遅れていたらと思うと、いまだに背筋が寒くなる。

少なくとも今のこの生活はなかっただろう。

「私」が犯人で「侵入者」は警察だった。

関連記事

カメラ(フリー素材)

何でもない心霊写真

誕生日にホームパーティーを開いた。家の中でみんなの写真を撮っていたら、変なものが写った。背後の押入れから見知らぬ青白い顔の女が顔を出し、こちらを睨みつけている。…

消える死体

ある日、しゃくに障る泣き声なので妹を殺した。その死体は井戸に捨てた。 次の日、井戸を見に行くと死体は消えていたのだった。5年後、些細なけんかで友達を殺した。 その死…

シェフは煮詰まっている

男は食事をするためにレストランに訪れていた。男が頼んだのはシェフがその日その日で料理を決めるコース。 しかし、幾ら経っても料理は運ばれてこない。業を煮やした男がウェイ…

行方不明の幼女

ある日、地方に住んでいる6歳の幼女が1人行方不明になった。母親が公園で主婦友達と話している数分の間に公園から居なくなった。どこを探しても居ない、警察も検問を各地に配置し…

パンは危険な食べ物

アメリカでの大規模な調査による結果により、パンはとても危険な食べ物だということがわかった。以下がその理由である。犯罪者の98%はパンを食べている。 パンを日常的に…

交通事故で亡くなった家族

警官をしている友人が数年前に体験した話。そいつは高速道路交通警察隊に勤めているんだけど、ある日他の課の課長から呼び出されたんだって。内容を聞くと、一週間前にあった東北自…

夏休み

今日は父さんが帰ってくる日だ。父さんは船乗りで家にあまりいないから、帰ってくるときはすごく嬉しい。ニコニコ顔の父さんを久しぶりに見ると、僕も弟もつられてニコニコ笑ってし…

廃墟

ロアニの家

子供の頃、近くに廃墟があった。その家は川沿いにあって、庭には井戸もある。しかも田舎だから灯りも少ないしで、夜になるととても不気味。必然的にその家は、幽霊が出る家…

娘の目

最近の話なんだけど、電車での人身事故を目撃してしまった。私と小学4年生になる娘と2人で家から2駅離れたショッピングモールで買い物をした帰り道でのこと。私たちが駅のホーム…

かくれんぼ

昔、公園で友達とかくれんぼをした。かなり広い公園で隠れるには困らないけど、問題は鬼になった時、ただでさえ広くて大変なのに友達4人とも隠れ上手。鬼には絶対なりたくなかった…