逃げなきゃ

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深夜、2階の自室で眠っていた私は、階下の妙な物音に気付いてふと目が覚めた。

「玄関から誰か入って来た…?」

そう思った瞬間、バクバクと鼓動が早まった。

夕方見たニュースが頭をよぎる。

『殺人犯、近辺に潜伏中か?捜査大詰め段階』

急に脇の下に冷たい汗が流れるのを感じた。

幸い、侵入者はまだ1階にいるらしい。

「早く逃げなきゃ!」

恐怖のために固まった体を必死で動かし、物音を立てないよう静かに窓辺へと向かった。

忍び足で階段を登ってくる気配がする。侵入者はもうすぐそこまで迫っているのだ。私は窓から屋根に降り、ジリジリと遠ざかる。

屋根の縁に手を着き、庭へ足が届いた時、真上にある私の部屋の電気がパッと付いた。

「ヤバイ!」

私はもう無我夢中で庭を抜け、夜の街を走った。

あの時、逃げるのが少し遅れていたらと思うと、いまだに背筋が寒くなる。

少なくとも今のこの生活はなかっただろう。

「私」が犯人で「侵入者」は警察だった。

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