した

公開日: 心霊体験 | 本当にあった怖い話

子供の寝顔(フリー写真)

親父から昔、何度か聞かされた話。

俺が2、3歳の頃、一緒に住んでいた曾祖母が亡くなった。

その頃はまだ、人が死ぬということもよく解っていなかったと思う。

その3日後くらいに親父と風呂に入っていたら、俺が突然

「最近、おばあちゃんが階段を上がって寝室に入って来る」

と言い始めたらしい。

最初、親父は曾祖母のことではなく、一緒に住んでいた祖母のことだろうと思っていた。

しかし俺が、

「おおきいばあちゃん(祖母と区別して曾祖母のことをそう呼んでいた)が上がって来る」

と言うので、

「おいおい、こいつ死んだ曾祖母のことを言ってるのかよ」

とゾッとしたそうだ。

しかも、

「どんな風に入って来るの?」

と聞いたら、

「下がしろーくて足が無い。それでこっちを見て笑ってる」

と答えたらしい。

この話を親父から聞いた時、当時幼い俺が見えていたものが『足が無い』という一般的な幽霊像と一致していることに、自分でも気味が悪いと思った。

何せ、まだ保育園にも行っていないくらいだからな。お化けのイメージなんて持っていないはずだし、そもそも死というものもよく解っていなかったはず。

最近実家に帰った時に、久しぶりにこの話をした。

俺が、

「下が白くて足が無いって言ってたんでしょ?

それって一般的な幽霊像と一致してるよね。小さい頃は見えてたのかもなぁ。自分が怖いわ」

と身振りを交えて話していると、すぐに親父からの訂正が入った。

そしてそれを聞いた俺は、この話について自分が大きな勘違いしていたことに気付くと同時に、改めて当時自分が見ていたものに対して異様な恐怖感を覚えた。

「…いや、『下』じゃなくて『舌』な。真っ白の舌を出してたって」

子供向けのどんなキャラクターでも良い。今までに『白い舌』を連想するものを見たことがありますか?

幼い俺が見ていたものはやはり、この世のものから外れたものだったのか…。

関連記事

峠(フリー写真)

峠の廃村

俺はオフロードバイクでソロツーリングするのが趣味だ。連休にはよく一人で遠出する。 今年のお盆休みに、九州の南端を目指して三泊四日の予定でツーリングに出発した。 もちろん、…

郵便受け(フリー写真)

空き家に届く封筒

以前仕事で聞いたことを書いてみる。 あまり詳しく書くと職責に触れるので、結構改変するからフィクションとして見て欲しい。 ※ 郵便配達の仕事をしていた頃のある日、誰も居ない空き…

病室(フリー素材)

優しい声

これは俺が中学生の時の体験です。 恐怖感はあまり無く、今でも思い出すと不思議な気持ちになります。 ※ 中学二年の二学期に急性盲腸炎で緊急入院しました。定期テストの前だったので…

案山子の神様

田舎住まいなので、通学時にはいつも田んぼの脇道を通っていた。 その日も家に帰るため、いつものように田んぼの脇道を、カエルの鳴声を聞きながら歩いていた。 すると田んぼの中に、…

餓鬼魂

もう30年程前になるか、自分が小学生の頃の話。 当時の千葉県は鉄道や主要街道から少し奥に入ると、普通に林が広がっていた。 市内にはそう広くない林が点在し、しかも民家から距離…

マッチの灯り(フリー写真)

墓場の幽霊

うちの近所にお墓がある。そこに一人で住んでいるおばあさんが体験した話。 ※ ある夜、そのおばあさんは布団に入って眠っていたが、人の気配を感じて起きたらしい。 だがそんなことは…

廃墟(フリー写真)

廃病院での肝試し

会社の先輩のIさんに聞いた話。 先輩が大学一年の時に、仲の良いサークル仲間四人で肝試しに行くことになった。 市街地から少し離れた所にある廃病院。お化けが出ると結構有名な所だ…

アカエ様

俺が小学校低学年の頃の話。と言っても、もう30年以上前になるけどな。 東北のA県にある海沿いの町で育った俺らにとって、当然海岸近くは絶好の遊び場だった。 海辺の生き物を探し…

麻雀(フリー写真)

曰く付きの大学寮

今から8年前の5月のお話。 当時は大学の寮に住んでいたのだけど、その寮は凄かった。 古戦場の近くで、その関係のお寺が近所にあり、更に寮の隣の竹林には首塚があった。 俺…

てめぇじゃねぇ!

ある夜のことでした。 会社員のAさんは残業で遅くなったのでタクシーを拾いました。 タクシーの中では、運転手さんと色々な話で盛り上がっていました。 そして、タクシーは山…