白金にまつわる話

公開日: 心霊体験 | 本当にあった怖い話

ホテル日航福岡部屋

知る人ぞ知る港区の白金トンネル。幽霊が出るという有名な場所だ。

この間、叔父さんから聞いた話。

都内で小さな商店を持ってる叔父さんは、その夜店も終わり、仕事関係の人に持って行く物があったので、車で五反田に向かった。

途中、いきなり尿意をもよおしたが我慢していた。とうとう我慢できなくなり、白金トンネルの近くで車を停め、東大の研究所の裏あたりの藪の中に入って行った。

俺なら行かないけどね。東大の研究所ってものすごく広くて、確か昼間は植物園ってことで一般の人も入れてたと思う。

周りはずっと金網で囲われてて、鬱蒼としていて、昼でもちょっと怖い。で、まあ、叔父さんは人目を避けて、藪の中で用を足してたわけだ。

ほーっとしていると、足元でかさかさ音がする。まさか蛇じゃないだろうなと、さっと緊張したが、見ると何かが動いている。

暗くてすぐには分からなかったが、よく見てみると、マンホールの蓋ぐらいのでっかいコマがぐるぐる回っていたと言う。

模様というか、柄がなんとも古臭いコマだ。

「!!!!?」

叔父さんは物凄い恐怖心に襲われ、一目散で車に戻り、仕事も忘れ家にすっ飛んで帰ったそうだ。

その話を聞いて、俺は「それってUFOなんじゃない?」って言ったんだけど、「いや、あれは間違いなくコマだった」って。

でも、どうして…。

調べると、江戸時代にあそこら辺一帯が処刑場だったということは分かった。

そのことを正月に友人に喋ったら、「そうか…」って黙り込んじゃった。

なんでも、白金の有名な「Mホテル」に彼女と泊まった時に、とんでもない経験をしたというのだ。

そいつが彼女とメシを食って、青山のクラブで遊んだ後、その「Mホテル」に泊まった。

まあ、Hしてそのまま寝たわけだな。すると、夜中にそいつはふと目が覚めた。

何か音がする。

寝ぼけた目で辺りを窺うと、洗面場で誰かが手を洗ってるような気配がする。

頭だけ起こして洗面場の方を見ると、曇りガラス越しに人の影が見えた。

そいつはとっさに、誰かが部屋を間違えて入って来たに違いないと思った。

しかし、鍵をロックしたことを思い出し、とたんに恐怖心に襲われた。瞬間、金縛りになってしまった。

隣の彼女を起こそうとしたが、体が動かず、声も出ない。

すると、部屋の隅の方で視線を感じた。

目だけ動かしてそっちを見ると、そこにはざんばら髪の落ち武者の首が浮かんでた。

口の端から血を流し、目は真っ赤に充血している。

「ギャーッ!」

心の中で叫び声を上げると、その首がビューッと自分の方へ近づいてきた。

そして、目の前でピタリと止まり、

「おのれええ」

といったという。

そいつはそのまま失神してしまった。

翌朝、目が覚めると速攻でチェックアウトしたと言う。

彼女には何も話さなかったそうだ。そいつは今でもその首が頭にこびりついて離れないといっていた。

以上、白金にまつわる俺が聞いた話。くれぐれも白金の「Mホテル」には行かないように…。

関連記事

Sデパート

これは警備員のバイトをしていた時に職場の先輩から聞いた話です。 都内Sデパートが縦に長い建物である事は、先程述べましたが、当然一人で受け持つ巡回経路は複雑で長いものです。 …

アパート(フリー写真)

出前のバイト

大学生の頃に体験した話。 俺は下宿近くにある定食屋で出前のアルバイトをしていた。 本業の片手間の出前サービスという感じで、電話応対や梱包、配達まで調理以外のをほぼ全てを俺…

遺言ビデオ

会社の同僚が亡くなった。 フリークライミングが趣味のKという奴で、俺とすごく仲がよくて、家族ぐるみ(俺の方は独身だが)での付き合いがあった。 Kのフリークライミングへの入れ…

ホテルの部屋(フリー写真)

有名な幽霊ホテル

知り合いの女性から聞いた話。 道後温泉の奥手にあるO道後温泉。幽霊が出るホテルがあることで、とても有名な場所。 そこのK館の50X号室に、彼女ともう一人の女性が泊まることに…

アパート

宗教団体のアパート

小学生の頃、友人にMちゃんという子がいた。 Mちゃんの両親(特に母親)は宗教好きで、よく解らないけど色々やっていたようだった。 家に遊びに行くと、絵の得意だった自分に半紙を…

自転車置き場(フリー写真)

幽霊を持って帰る

私の叔母が、大型ショッピングモールで清掃のパートをしていた時の話。 オープン当時から一年ほど経ってはいたものの、建物も設備もまだまだ綺麗で、田舎の割に繁盛していた。 しかし…

おまえこそ

自分が大学生の時の話。マジで思い出したくない。 自分が学生の時の友達にA君という奴がいた。A君には中学くらいの時から付き合ってるBさんという彼女がいて、いつもどこに行くにも一緒っ…

父親の不思議な体験

うちの父親の話。幼少の頃から不思議な体験が多いらしい。 ※ 不思議な体験 - 其の一 60歳近いけど昔から魚釣りが趣味で、小さい頃に兄と幅50メートルくらいの川に釣りに出掛け…

黒電話

壁の中の秘密

1998年、草野正人さん(仮名・35歳)は転職を機に、家族3人で新しいマンションに引っ越した。 築年数の経過したこの建物は、3人の生活には十分な空間を提供していた。 異変…

悪魔の書

中学生の頃、俺は横浜に住んでたんだけど、親父が教会の神父やってたの。 神父にしては結構ざっくばらんな性格で、結構人気もあったんだ。 まあ、俺なんて信心深い方じゃないし、一家…