夢枕の爺ちゃん
公開日: 笑える怪談
俺の爺ちゃんの話。
爺ちゃんは入院中に二度も危篤状態になり、いつ逝ってもおかしくない状態だった。
二度目の危篤から生還した時に爺ちゃんに聞いたら、
「ここで死んでなるものか!」
と強く願ったらしい。
俺はそんなことで生還出来たとはとても思わなかった。
※
三度目の危篤であっさり逝った爺ちゃん。
葬式の翌日の夜、爺ちゃんが夢枕に立った。
なぜ三度目も生還してくれなかったのかと聞いたら、
「今回も強く願ったんだけど、昼間に看護士さんのブラ紐を見て、それを思い出したら集中力が切れて死んじゃった」
と言っていました。
勿論このことは俺と爺ちゃんだけの秘密です。
※
爺ちゃん。あれから十年経つけど、そちらはどうですか?
あの時、夢枕で頼まれた秘蔵のブルーフィルムを家族に見つからないように処分するのには苦労しました。
お駄賃で貰った遺産(へそくりの20万円)は今も大切に取ってあります。
俺もいずれそちらへ行くので、その時は一緒に酒でも飲みましょう。