飼い猫

公開日: 怖い話

cat

色々あるけど、子供の頃の話。7歳だった自分は母と一緒の部屋で毎晩寝ていた。

ある晩、ふと布団を捲りあげたら鬼のような形相の人のようなものが2つ。

びっくりして布団から這い出て電気をつけ、布団を覗いたけど当然なにもなく…怖いながらもその日は寝てしまった。

翌日、同じ時間帯にふと窓に目をやったら女の子が怖い顔をしてこちらを睨んでいた。

身体が動かない…女の子は窓にべったり張り付いていてどんどん顔が恐ろしい形相に。

頭が真っ白になった頃、飼い猫が部屋に入ってきて窓枠に飛び乗った。

その瞬間、体が動くようになりそのまま就寝。

しばらくは何もなかったものの、今度は夢の中に女の子と男の子が手に刃物を持って現れた。

2人の前で固まる自分。

「お前なんか産まれなければよかったんだ!」と叫ばれながら振り下ろされる刃物。

「もうダメだ!」

と思った瞬間、また飼い猫が女の子の顔に飛びかかり、男の子を威嚇した。

勢いで飛び起きたら、私をじっと見つめる飼い猫がそこにいた。

こういう話を信じない両親だから今まで起こった事はなにも言わなかったけど、流石に話をした。

そしたら、母は2回残念ながら流産してしまった経験があり、もし産まれていれば私のお姉さんと弟だったそうだ。

2人の供養も特にしていなかったそうで、私の話を聞いた翌日急いでお寺に相談し、供養をしてもらいました。それ以来、女の子と男の子は見かけなくなりました。

経験した中で凄く怖かったし、親以外は話したことなかったけど、守ってくれた猫の命日にふと思い出して書いてみました。

読んでくださってありがとうございました。

関連記事

もう一つの顔

学生時代の友人のM美の話をしようと思う。 その日、私はM美が一人暮らしをしているアパートへ遊びに行った。 私は絨毯に横になりながら、M美はベッドに腰掛けてのんびりくつろいで…

海(フリー写真)

海ボウズ

俺の爺ちゃんの話。 爺ちゃんは物心が付く頃には船に乗っていたという、生粋の漁師だった。 長年海で暮らしてきた爺ちゃんは、海の素晴らしさ、それと同じくらいの怖さを、よく寝物語…

姉のアトリエ

10年程前の話。 美術教師をしていた姉が、アトリエ用に2DKのボロアパートを借りた。 その部屋で暮らす訳でもなく、ただ絵を描く為だけに借りたアパート。 それだけで住ま…

隠された部屋

友人が引っ越しをした。 引っ越し先は築10年の一戸建てで、そこそこの広さもある良い家だった。 だが、家賃が異常なまでに安い。周囲の物件の半分程度しかないのだ。 俺たち…

夜の山(フリー写真)

山へのいざない

母の家系は某山と良からぬ因縁があるらしく、祖母より決してそこへ行ってはいけないと固く言われていた。 「あの山に行ってはいかん。絶対にいかんよ。行ったら帰って来れんようになるよ」 …

田舎の風景(フリー写真)

霊感の強い弟の話

高校生の頃、霊感がピークだった弟の話。 弟には小さな頃から霊感の強い友達が居る(仮にAとする)。 その日、学校帰りに Aの家へ遊びに行く途中のこと。 何ぶん田舎なも…

未来の夫

ある少女が、将来の結婚相手が分かると言う占いを実践してみることにした。 その占いとは、真夜中の0時、口に剃刀を咥え、水を張った洗面器の中を覗き込むと、そこに結婚相手の顔が映るとい…

蝋燭

キャッシャ

俺の実家の小さな村では、女が死んだ時、お葬式の晩に村の男を10人集め、酒盛りをしながらろうそくや線香を絶やさず燃やし続けるという風習がある。 ろうそくには決まった形があり、仏像を…

工事現場(フリー写真)

マンホールの男

昔、警備会社の夜勤をやっていた時の話。 多くは国道の道路工事の現場で、車通りの多い道で騒がしい音の中働いていた。 ある日、珍しく裏道の仕事が回って来た。 その細い裏道…

イタコ

以前、北東北の寒村に行った際にお寺のご住職夫人から聞いた話。 恐山のような知名度はないんだけど、彼の地にも古くから土着のイタコがいたの。 今も出稼ぎがある地だから推して知る…