未来の夫

公開日: 怖い話

Pool_of_True_Divination

ある少女が、将来の結婚相手が分かると言う占いを実践してみることにした。

その占いとは、真夜中の0時、口に剃刀を咥え、水を張った洗面器の中を覗き込むと、そこに結婚相手の顔が映るというものだった。

彼女は、話に聞いた通り洗面器に水を張り、手元に剃刀を置いて時間が来るのを待った。

そして、真夜中の0時がやってきた。彼女は、剃刀を口に咥え、恐る恐る水鏡を覗き込んだ。

なんとそこには、確かに自分とは違う別の誰かの顔が浮かび上がってきている。

驚いた少女は思わず叫び声をあげてしまった。

それと同時に、口にしていた剃刀が洗面器の中に落ちてしまった。

すると、洗面器に張った水が、一瞬のうちに血のように真っ赤な色に染まった。

彼女は何がなんだか分からなくなり、頭から布団を被り、ガタガタと震えながら朝を迎えた。

朝になって洗面器の中を覗き込むと、普通の透明な水の底に剃刀が沈んでいるだけだった。

―それから数年後。

彼女はある男性と付き合うようになった。

話題が豊富で楽しく、性格も優しく、おまけに経済力もあった。

ひとつ、彼がいつも大きなマスクをしているところだけが気になったが、彼女はこの男性をどんどん好きになっていき、やがて結婚の約束をした。

そうなると、再び例のマスクの下が気になってくる。生涯の伴侶となる人の事は、よく知っておかなければならない。

彼女は、その下に何があろうと自分の気持ちが変わらない自信があった。

そんな彼女の気持ちに押され、男性もついに折れ、マスクを取って見せた。

そこには、鋭利な刃物でざっくりと切りつけられたような、見るも無残な古い傷跡が残っていた。

「ひどい。一体どうしてそんな傷が」

彼女は悲鳴にも似た疑問を男性にぶつけた。

すると男性が言った。

「お前にやられたんだよ」

北アルプス(フリー写真)

呼ぶ声

先日、私と登山仲間の先輩とが、北アルプス穂高連峰での山行中に経験した話です。その日は、穂高連峰の北に位置する槍ヶ岳から稜線を伝って奥穂高岳へ抜ける縦走ルートを計画していました。…

竹林(フリー写真)

有刺鉄線の向こう側

小学生の時の記憶。私の育った町には昔、林があった。ただその林は少し変わっていて、林の中に入って途中まで行くと、ある部分を境に突然竹林に変わっている部分があった。…

ゲシュタルト崩壊

家に姿見のような大きめの鏡がある方は一度試して貰いたい。鏡に映った自分を見ながら「お前は誰だ」と言ってみてください。いえ、お化けとか幽霊だとかそういう類のモノではないん…

犬(フリー写真)

八房

「この犬は普通の犬じゃありません。それでもいいんですか?」それが私が後に八房と名付ける犬を引き取ると言った時の、団体の担当者の言葉だった。詳しく話を聞いてみると、こうい…

何かの肉塊

僕が小学生の頃なので、もう20年くらい前になるのか。母方の祖母(大正生まれで当時60歳)から聞いた話を思い出した。祖母がまだ若かった頃、北海道の日本海側の漁村に住んでい…

夜の海(フリー写真)

海から聞こえる声

漁師をしていた爺さんから聞いた話。爺さんが若い頃、夜遅く浜辺近くを歩いていると、海の方から何人かの子供の声が聞こえてきた。『こんな夜遅くに、一体何だ?』と思い、声のす…

ポコさん

私の住んでいた家の近くの公園には、いつもポコさんという大道芸人みたいなおじさんが週に3回来ていた。顔は白粉か何かで白く塗り、眉毛は太く塗り、ピエロの様な格好でいつもニコニコして…

灯台(フリー写真)

囁く声と黒い影

昔、酒に酔った父から聞いた話だ。私の実家は曳船業…簡単に言うと船乗りをしている。海では不思議なことや怖いことが数多く起きるらしく、その中の一つに『囁く声と黒い影』という…

工場(フリー写真)

お婆さんと地蔵堂

茨城県の常磐自動車道の、とあるインターチェンジを降りてすぐの工業団地にあった工場での話。その工場は夜勤者の交代が夜中の2時で行われていて、2時で交代して帰る途中の派遣社員が、…

山神様

これは、俺の曽祖父が体験した話です。大正時代の話ですので大分昔ですね。曾じいちゃんを、仮に『正夫』としておきますね。正夫は狩りが趣味だったそうで、暇さえあれば良く山狩り…