いまじょさん

114m

地方に伝わる因習や呪い系の話を一つ。ちなみにガチで実話です。

数年前、大学生の頃、同じゼミにに奄美大島出身のやつがいた。ゼミ合宿の時にそいつと俺と何人かで酒飲みながら怪談なんかを嗜んでいた。

で、奄美大島には有名な「いまじょ」と言う怪談があるのだが、俺はそいつにその「いまじょ」の話を振ってみた。

しかし、そいつは「なにそれ? そんな話聞いたことないよ?」ってな感じだった。

俺は、まあ別に地元の人間だからって必ずしも知ってる訳じゃねーのかと思って、俺が知ってる「いまじょ」の話をその場でした。

ちなみに、これがどういう話かと簡単に言うと…。

昔、奄美大島の古仁屋町の金持ちの家で働くヤンチュ(下女のようなもの)に「いまじょ」という娘がいてかなり美人だったという。

その家の主人もいまじょの美しさに惹かれていて、ある日むりやり手篭めにしてそのまま囲いものにしていた。

そのことに嫉妬したその家のおかみは、ある日主人の留守中にいまじょさんを納屋に呼び出してそのまま殺してしまった。

一方的に手篭めにされて、勝手に嫉妬で殺されたいまじょさんは怨霊となり、この男の家を祟り、程なくしてその家に連なるものは全員死に絶えたと言う、そういうお話。地方の言い伝えによくあるような話です。

それで、その合宿の時に旅行いきてーなーとか話してたら、そいつが奄美大島に来るんだったら家に泊めてやるよ的な事を申し出てくれた。

そんなこともあってその年の夏休みに、俺とそいつと別の友達ひとりと一緒に奄美大島に遊びに行くことにした。

まあ、ただで泊めてもらうのもなんなので東京土産に地元の酒やら何やら持って行ったらかなり歓迎してもらえて、楽しい離島バカンスをエンジョイ&超エキサイティングしていた。

そんなある晩、そいつのパパンと俺らでお酒なんぞ飲んでる時に、例の「いまじょ」さんの話について訊いてみた。

話し相手の俺らがいるせいか、かなりお酒が進んで上機嫌になっているそいつのパパンは快く話してくれた。

まあ、大体上に書いた話の通りなのだが、ディテールがかなりエグイ。

その当時のヤンチュと言うのはかなり身分が低く、被差別的な扱いを受けていたと言うこと。

いまじょさんは殺される時に子供を身ごもっていたこと。

おかみはいまじょさんを殺すまでに納屋に数日間幽閉して男衆に輪姦させたり、色々な拷問を加えた末に、最後は女性器に焼いた火箸を差し込んで殺したと言うこと。

また、いまじょさんはただ単に怨霊と化したわけではなく、いまじょさんの変わり果てた死体を引き取ったいまじょさんの家族が嘆き悲しみ、いまじょさんの死体とお腹の子供を(埋葬せずに)使って、その家に呪いをかけたと言うこと。

呪いが強すぎたせいか、その家の人間だけではなく、いまじょさんの一族まで死に絶えたということ。

なんかそういう話を嬉々としてしゃべるパパンの声に起こされたのか、パパンのママン、つまり同じゼミのそいつのグランマが起きてきた。

そしたら、すごい剣幕、方言丸出しでパパンを叱りはじめんの。

パパンは昔東京に住んでた出戻り組みで、俺らと話す時は標準語で話してくれたんだけど、グランマとグランマにおこられてる時のパパンは方言ばりばりで何言ってかわかんなかったよ。

でまあ、聞き出した俺らだし、パパンなんか泣きそうになってるし、グランマにみんなで謝ってとりなしてその日は解散して寝た。

まあ、父親が祖母に怒られて泣きそうになってる様を友人に見られたそいつも泣きそうな顔してたけどね!

次の日、俺らのせいで怒られちゃってマジサーセン的な事をそいつのパパンのところに言いに言ったら…。

年寄り連中はいまじょさんの呪いはマジで信じていて、いまじょさんの話をするといまじょさんが現れて、祟られると思っていると言うことを聞いた。

パパンが子供の頃は、何か変な事件とかがあるといまじょさんの仕業だとか、どこそこの誰かがいまじょさんに祟り殺されたとか、そういう話を聞いたこともあるらしい。

そいつが「いまじょ」さんの話を知らなかったのは、話がエグイのと、グランマに怒られるので教えなかったとの事。

海の岩場(フリー写真)

形見の写真

小学生の仲が良い男の子4人が海へ遊びに行った。初めは浴場の方で遊んでいたのだけれど、そのうち飽きてしまい、人気のない岩場へと移動。散々遊んでさあ帰ろうという事で、記念…

村の風景(フリー素材)

朽縄(くちなー)様

田舎に住む祖父は、左手小指の第一関節の骨がありません。つまむとグニャリと潰れて、どの角度にも自由に曲がります。小さい頃はそれが不思議で、「キャー!じいちゃんすごい!なん…

世界中の地球滅亡予言

1999年にノストラダムスの大予言が外れた事が有名ではあるが、今まで世界中で地球・人類が滅亡するといった類の終末予言が幾つも提唱されてきた。しかし、その殆どは尽く外れてきた。戦…

夜の海(フリー写真)

ふだらく様

自分は子どもの頃から大学に入るまでずっと浜で育ったのだけど、海辺ならではの不思議な話が色々あった。自分の家はその界隈で一件だけ漁師ではなく、親父は市役所の勤め人だった。…

神社(フリー素材)

雁姫様の鏡

昔、修学旅行中に先生から聞いた話。先生が小学4年生まで住んでいた町はど田舎で、子供の遊び場と言ったら遊具のある近所のお宮だったそうだ。そのお宮には元々祭られている神様と…

ある番組のお蔵入りになったテープの話

20年程前の事なのですが、当時私は番組制作会社のADをしていました。女性アイドルと霊能力者が、心霊スポットを検証する番組の収録の時の事ですが、そのアイドルが現場で突然白目になっ…

放送室の女

どこの学校にも怖い話はいくつかあるものだけど、俺の母校の小学校は、なぜか怖い話が放送室にばかり集中している。数え切れない噂があるんだけど、中には実際に起きている出来事もあったり…

禁忌の人喰い儀式

俺の親父の田舎は、60年代初頭まで人喰いの風習があったという土地だ。とは言っても、生贄だとか飢饉で仕方なくとかそういうものではなく、ある種の供養だったらしい。鳥葬ならぬ…

ウォーリーを探せの怖い都市伝説

世界中で愛されている絵本が「ウォーリーを探せ」である。何百、へたしたら何千という群衆が描かれた絵本の中から、ウォーリーという一人の男を探す絵本である。ウォーリーの特徴は…

柿の成る家(フリー素材)

ジロウさん

23年程前の話。俺の地元は四国山脈の中にある小さな村で、当時も今と変わらず200人くらいの人が住んでいた。谷を村の中心として狭い平地が点在しており、そこに村人の家が密集…