タグ: 神隠し

朝顔のプランターの数

家の裏手の松林の奥に、朝顔のプランターが並んだ平屋がありました。行くたびに、数がひとつずつ増えていきます。六つになった日、私は生ぬるいコップを手渡されました。二…

カブト虫

夏の夜、峠を越える車の中で、幼なじみの一人だけが『光る虫がいる』と言い出しました。走る車から笑いながら飛び降り、暗い山へ消えた彼。壊された峠の祠と、『山で名を呼…

煙草

子どもの頃、炭焼きだった祖父と山へきのこを採りに入った夏。帰り道は正しいのに同じ景色を繰り返し、谷川の音も消え、いつまでも家に着かない。慌てぬ祖父が一本の煙草に…

湯治宿の帳面に日数がない客

学生だった夏に住み込んだ、山あいの湯治宿。毎年訪れる老人の腕には、皮を引き毟ったような痕が数えきれぬほどありました。奥山の眠り窪で眠れば病が消えるといいます。た…

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