煙草

公開日: 不思議な体験

a0290782_20285332

子供の頃、田舎のおじいちゃんの家で、ひと夏過ごした事がある。ある日、沢までわさびを取りに山の奥までおじいちゃんと行った時のこと。

季節は夏で、青々とした雑草やらシダやらがその細い道を覆っているが、町の人がその場所まで分け入ったあとがわかる道だった。

行きは30分くらいで沢まで着き、わさびを食べる分だけ取ってくる。

根わさびは、しょう油か味噌と混ぜ合わせて、熱々のごはんに乗っけて食べると格別の美味しさなんだけど、まぁそれは置いといて。

そろそろ帰ろうと元来た道を引き返した。でも1時間歩いても家に帰れない。

細い道を辿って来た道を戻っているのは分かる。道はちゃんと合ってる。目立つ木の位置も、群生してる花の位置もそのまま。

迷った?

でもそんな事ありえない、おじいちゃんは山歩きが趣味で、この辺りはいわば庭みたいなものだ。

おじいちゃんは、立ち止まって適当な木の下に腰を下ろした。

「心配すんな、こういうのはたまにある」

そう独り言をつぶやくと、煙草を一本吸い出した。

プカーと煙を吐き出し終わると、ドッコイショと言いながら立ち上がりまた歩き出した。

俺は、幼いながらも何だか釈然としない気分でいた。きっと変な顔をしていたんだろう。

おじいちゃんが俺に言った。

「煙を出すとちゃんと帰れるからな~」

その後、10分ほど歩いてちゃんと家に着いた。

煙草に「邪を祓う」効果があるってのは聞いたことある。

「こういうのはたまにある」と平然と言い放つじいちゃん、すげえ。怪異現象じゃなくて、日常なんだな。

水木しげるの本にあったムジナだったかな。化かされてると感じたら煙草に火をつけると、どこかで「ぎゃー」と叫び声がして、まわりが急に明るくなり家に帰れたとか。

登山(フリー素材)

赤い着物の少女

システムエンジニアをやっていた知人。 デスマーチ状態が続き、残業4、5時間はザラ。睡眠時間は平均2〜4時間。 30歳を過ぎて国立受験生のような生活に、ついに神経性胃炎と過労…

死神の生まれ変わり

俺の昔からの友人がよく死体に遭遇する。 中学時代、一緒に海に遊びに行ったら水死体を見つけた。 その時、既に5回も人の死体を見たことがあったそうだ。 まあ、中学生男子は…

山の神様と冥界への道

私の父親は山好きです。当然、山関連の友人も多く、私も山へ行く度にそうした方々と話をしました。 そして、その友人の中にAさんという方が居ます。 私が彼と最後に話をしたのは高校…

田舎の風景(フリー写真)

土地神様

小学1年生の頃、毎晩0時になると、眠っていた私が突然泣き叫びながら部屋中を走り回る、という事が数日続きました。 数分後はパタっと治まり、また眠るという毎日。 その時、私の見…

エアコン(フリー写真)

なんまいしゃん

これは父親から聞いた、自分が子供の頃に体験した話。 自分が3歳の時、四十度以上の高熱を出したらしい。 その時、深夜23時50分頃。 熱に魘されて布団に寝ていた俺が突然…

黒い物体

黒い穴

もう10年くらい前、俺がまだ学生だった頃の出来事。 当時、友人Aが中古の安い軽自動車を買ったので、よくつるむ仲間内とあちこちドライブへ行っていた。 その時に起きた不気味な出…

抽象画

お還りなさい(宮大工14)

俺が初めてオオカミ様のお社を修繕してから永い時が経過した。 時代も、世情も変わり、年号も変わった。 日本も、日本人も変わったと言われる。 しかし俺を取り巻く世界はそれ…

木造校舎

青い手首

ネタではありません。実際の体験談です。 世田谷区立某小学校での出来事。 ※ 入学して1年間は、戦前からある古い木造校舎で過ごしました。 2年生になった頃に木造校舎の建て…

四国のホテル

怖くないかもしれないけど、俺が昔体験した話。 子供の頃、四国に家族旅行へ行った時、泊まっていたホテルで黒い着物姿の女に手招きされる夢を見た。 夢の中で、俺はふらふらと抵抗す…

口(フリー素材)

両親の不可解な行動

自分の錯覚と言われてしまえばそれまでなのだけれど…。 当方大学一年。両親と一緒に暮らしている。最近引っ越すまで 2LDKのアパートに住んでいた。 「私の部屋」「キッチンを挟…