湖に沈んだ村行きの終バス
昭和の終バスを任された若い運転手が体験した、不思議な話。無人のはずの峠の停留所で乗せたのは、藍色の着物の女だった。湖の底に沈んだ村へ帰りたいと言う客を乗せ、走っ…
昭和の終バスを任された若い運転手が体験した、不思議な話。無人のはずの峠の停留所で乗せたのは、藍色の着物の女だった。湖の底に沈んだ村へ帰りたいと言う客を乗せ、走っ…
先輩から聞いた禁忌を寮の湯小屋で試した夜、それは来た。お祓いでも離れず、三年にわたり憑かれ続けた男の実話風の怖い話。偽の拝み屋の末路、老師が最後に遺した手紙の警…
谷あいの古い温泉宿に伝わる不思議な話。雨の晩にだけ濡れて戻る離れの鍵と、夜の渡り廊下を渡っていく塗り下駄の音。仲居として四十二年勤めた私が最後の秋に見たのは、閉…
昭和のダム計画で、水に沈む村を一軒ずつ調べていた私たちは、外れの溜池にある、触れてはならない古い石蓋を起こしてしまう。やがて主任は知らぬ名を点呼のように呼び始め…
雪深い町で運転代行を三十年続けてきた私が、ある二月の底冷えする夜に乗せた、古めかしい白髪の老人。久しく動かぬはずの古い車、峠の奥にともる門灯、握らされた古い紙幣…
岐阜・飛騨の山あいに残る旧高山本線の廃トンネル跡で起きた不思議な話。元保線員から聞いた、走らない最終便と紙の上にだけ残った時刻表。鉄道ライターが体験した一夜の実…
母の入院で通い続けた病院。向かいの病室にいつも白いパジャマの老人がいた。ある日その部屋が空室になり看護師に確認すると、六年間一度も患者が入ったことはないと言われ…
毎月の夜間点検で川向こうの同じ場所に人が立っていた。怖い話として語り継ぐべき実話体験談。祠の写真と葬儀の遺影が重なった夜の記憶。…
引っ越した翌月から、毎晩午後11時に隣の部屋からピアノの音が聞こえてくる。でも管理会社に確認すると、その部屋は2年前から空室だと言う。そして朝、部屋の内側に一本…
地域誌のカメラマンが取材で訪れた廃館前夜の映画館で、最後列に座る着物の老婦人を目撃する。客が全員帰ったはずの劇場で、床に落ちていた古い半券に書かれた映画のタイト…
新幹線運休の振替で乗った夜行バスの最後列。消灯後、隣席に「酔ってしまって」と座ってきた女性。サービスエリアで降りた彼女は戻らず、運転手は最後列はあなた一人ですと…
郵便配達員として3年。担当区域に、毎朝老婆が立っている表札のない古い家があった。ある日その老婆は消え、その家は十五年以上空き家だったことを知る。…
廃駅での撮影ロケ中、カメラのファインダー越しに奇妙な影を見た。フィルムを現像すると、肉眼では何もなかったはずの場所に、人の形をした影が三つ四つ並んでいた。…
深夜の山道で出会う謎の女性。毎週同じ時間に現れ、30分後に消える。複数の運転手が体験した説明のつかない現象。…
深夜に見知らぬ老婆から電話がかかってきた。相手は俺のフルネームも母の旧姓も知っていた。そして「あなたのお兄さんに頼まれた」と言った。…
山あいの集落を担当する郵便配達員が体験した話。行き止まりの農道の奥に、毎月荷物を無言で受け取る老婆がいた。ある日、玄関前に見知らぬ男の人影が消え、帰り道に思いも…
漁師の俺が深夜の波止場で見た人影は、三ヶ月前に嵐で消えた仲間の健介にそっくりだった。倉庫に消えた影、空き缶、そして春先に上がった水死体——あれは何だったのか、今…
亡くなった祖母の家で見つけた、曾孫のために縫いかけの甚平。遺品整理のたびに進む縫い目と、漂う金木犀の香り。祖母が遺したものとは。…
遺品整理で買い取った古い鏡台を店に置いた翌日から、閉店後の店内で誰かが髪を梳く音が聞こえるようになった。娘が見たという「きれいなひと」の正体とは。…
家族旅行で訪れた古い温泉旅館。どこか懐かしいその場所で、私は湯けむりの向こうに誰かの気配を感じた。亡き祖母が残してくれた、温かな不思議の記録。…