2タッチ入力

公開日: 意味がわかると怖い話

cdae2a2dc3af32197e7f44b0a040610b59f367651381590042

私の父が施設にいたころ、父が散歩にでも出てそのまま連絡が取れなくなっても困るので、携帯電話をもたせていた。

父はボケており、携帯を買い与えアドレスを交換したころは「これでいつでもお前と連絡が取れるなあ」なんて言っていたが、 どんどんボケが進行する父には結局、メールはおろか電話さえも使うことができなかったのだ。

ところがある日、私の携帯に父からメールが来た。

件名はない。

本文にただ『いわいわいわいわいわいわいわいわいわいわいわいわいわいわいわいわいわいわ』と打たれている。

意味がわからない。と言ってもボケた父のことだ、意味などないのだろう。

そう思っていると、また父からメールが来た。

今度も件名はない。

本文に『いらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいらいら』と打たれている。

何のことやら。

結局、ボケた父が訳も分からず携帯を操作しているうちに、私にメールを送信してしまったのだろうと思って放っておいたのだが、 まさかこれが、父からの最後のメールになるとは…。

その日、父は施設で大暴れをし、階段から転落して亡くなったそうだ。

もしや二件目のメールの『いらいら』とは、何かいらいらすることでもあって、私に伝えたかったのだろうか?

あの時、私がしっかりとメールを返していれば、父も暴れたりすることはなかったのかもしれない。

編集者補足

携帯の数字キー入力に変換すると『いわ』は『110』番で『いら』は『119』番になる。

交通事故で亡くなった家族

警官をしている友人が数年前に体験した話。 そいつは高速道路交通警察隊に勤めているんだけど、ある日他の課の課長から呼び出されたんだって。 内容を聞くと、一週間前にあった東北自…

切り取られたカレンダー

久しぶりに実家に帰ると、亡くなった母を思い出す。母は認知症だった。身の回りの世話をつきっきりでしていた父を困らせてばかりいた姿が目に浮かぶ。 そして今は亡き母の書斎に入った時、私…

マンション(フリー写真)

B君

ある日の夕方の出来事。 僕が自分の部屋で本を読んでいると突然、窓を「バンバン!」と叩く音がした。 びっくりして振り返ると、友達のB君が興奮しながら窓を叩いていた。 「…

呪い真書

呪い真書を手に入れた。冒頭にこう書いてある。 この書に書かれている手順を実行すると呪いが成就します。しかし手順を少しでも間違えるとその呪いは自分に返ってきます。あなたはそれでも実…

姉のアトリエ

10年程前の話。 美術教師をしていた姉が、アトリエ用に2DKのボロアパートを借りた。 その部屋で暮らす訳でもなく、ただ絵を描く為だけに借りたアパート。 それだけで住ま…

ノロノロ運転

俺の姉は車通勤なんだけど、いつも近道として通る市道がある。 それは河沿いの、両脇が草むらになってる細い道なんだけど、そういう道って夏の雨が降った時とか、アマガエルが大量に出てくる…

廃墟

ロアニの家

子供の頃、近くに廃墟があった。 その家は川沿いにあって、庭には井戸もある。 しかも田舎だから灯りも少ないしで、夜になるととても不気味。 必然的にその家は、幽霊が出る家…

母の弁当

中学校に入ってから1人の不良にずっと虐められてた。 自分の持ち物に『死ね』と書かれたり殴られたりもしていて、俺はちょっと鬱になってたと思う。 心配する母にガキだった俺はきつ…

かくれんぼ

昔、公園で友達とかくれんぼをした。 かなり広い公園で隠れるには困らないけど、問題は鬼になった時、ただでさえ広くて大変なのに友達4人とも隠れ上手。 鬼には絶対なりたくなかった…

トノサマバッタ

小学生の時、夏休みの宿題に昆虫採取をすることにした。まぁ、毎日アミ持って野山を駆け回って遊んでただけなんだけど、ある日すごいのを捕まえた。 体長 13.5cmのトノサマバッタ。 …