呪われた土地

公開日: 心霊体験 | 本当にあった怖い話

e813258f5e

俺の親友の話をしたいと思う。

小4の頃にそいつ(以下H)の親が二階建ての大きな家を建てた。

建設業を営むHの父親が建てた立派な外観のその家は、当時団地住まいだった俺にとっては羨ましかった。

だがHは「雰囲気が暗い」と言ってあまり嬉しそうではなかった。

Hが言うように、窓も大きく取られて日の光がたくさん入りそうな家なのに、室内はどの部屋も暗く、湿っぽい感じがした。

Hの家族が住み始めて1年経った頃、飼っているメスのシベリアンハスキーが子犬を9匹産んだ。

だがそのうちの5匹は死産で、母犬も産後の肥立ちが悪くすぐに死んでしまった。

この頃からH家の異変は始まったらしい。

H家は犬好きで、他にも柴犬とビーグルも飼っていたのだが、柴犬は何かに怯えているのか犬小屋から出ようとせず、室内犬のビーグルもある方向を睨み付け吠えてばかりだった。

それからしばらくしてHの祖母(父親の母)が同居し始めた時からH父母が不仲になり始めた。

Hの祖母は某宗教に入信しているらしく、毎日起床時と就寝前にお題目を唱えているそうで、気味が悪いから止めさせろと母親が言ってきたのが原因らしい。

俺も何回かこの家に泊まったことがあるのだが、確かにボソボソと聴こえてくるそれが気持ち悪かった。

Hとその弟2人は、2階にそれぞれ自室を持っているのだが、3人とも「毎晩怖い夢を見る」と言ってきた。

内容は皆同じで、祖母が白装束を着て暗い廊下で満面の笑みでよだれを垂らしながら踊り狂っている、というものらしい。

両親に訴えても取り合ってもらえず、そのまま自室で寝ていたらしいが、ある日の晩にHのすぐ下の弟の部屋から叫び声が聞こえてきたそうだ。

両親やHが駆けつけると、そこには夢の通りに白装束を着て踊り狂う祖母の姿があったらしい。

踊りながら糞尿を垂れ流し、父親の呼びかけにも応えずに踊り続ける祖母。

それは地獄のような光景だっそうだ。

Hの祖母はそのまま救急車で運ばれたそうだが、医師の診察では異常なしと言われたらしく翌日には家に帰ってきた。

だが明らかに目の焦点は合わず、家中や近所を白装束で徘徊する姿は幽霊のようだったとHは言っていた。

老人ホームに預ける話も出ていたらしいが父親の反対にあいそのまま住み続けていたようだ。

この頃H自身もよく原因不明の怪我をしたり、すぐ下の弟も “幽霊屋敷に住んでる奴” として近所の不良にリンチされたりと散々な目に遭っている。

また、父親の営む会社も経営が傾き始めたようで、家の中はギスギスした空気になっていたらしい。

俺もHにしばらく家には来るなと言われていた。

そんな折、ある事件が起きた。

Hの祖母が首を吊ってしまった。

それも祖母の自室ではなく、Hの自室で。

しかも第一発見者は家人ではなく、向かいの家の住人。

近所は大変な騒ぎになった。

「祖母を虐めた両親のせいだ」とか「いや、あの家は呪われているんだ」などと近所は噂していた。

祖母の初七日も経たない頃から家の中では次々に恐ろしいことが起こった。

朝方や深夜、誰もいないはずの祖母の自室からお題目が聴こえてくる。

祖母が亡くなったHの自室から死臭が漂う(その後開かずの間になった)。

祖母を迷惑がっていたHの母親の前にだけ祖母の霊が現れる。

外で飼っていた柴犬が不自然な体勢で窒息死。

Hの一番下の弟が原因不明の熱発が原因で軽い言語障害に。

H父母の仲は更に悪化、人目を憚らず罵り合うまでになり、離婚も間近だったようだ。

Hの父親は高名な霊能者に助けを求めた。

ところが、その霊能者は家を一目見るなり、

「これはひどい、土地に居着く怨念と、あなたのお母様の思念が合わさって私ではとても祓えない。

気休めにしかならないが、お札と御神酒である程度抑えるしかない」

と言われてしまったそうだ。

「悪いことは言わない、ここから早く出ていった方がいい。

お札の効力で出て行った先にまでは付いて来ることはないとは思うが」

そういったことがあり、H家は住み始て2年も経たずに引っ越すことになってしまった。

その後、Hの父親の会社は倒産は免れたものの大規模な業務縮小をせざるを得ず、それが決定打となって両親は離婚。

母親もノイローゼのために育児ができず、Hら兄弟は母方の祖父母の元へ。

結局、土地にまつわる因果などは全く判らないままだったそうだ。

以上が今月Hの母親が亡くなった時に彼が俺に話してくれた一家離散の原因だ。

父親とはもう20年会っていないと言う。

関連記事

ドルフィンリング

ドルフィンリング

ドルフィンリングというイルカの形をした指輪が流行った大昔の話。 当時、私は小学校低学年でした。10歳年の離れた姉はいわゆる不良で、夏休みになるとほぼ毎晩不良仲間を家に連れて来ては…

硫黄島の星条旗(フリー写真)

硫黄島の心霊体験

私が二年前、自衛隊基地の施設建設の為、硫黄島へ半年赴いた時の話。 数ヶ月も島に閉じ込められると、自然と顔見知りの隊員さんが出来る。 色々と話すうちに、よく硫黄島にまつわる…

白い人影

高校生の時に某飲食チェーンでバイトしてたんだけど、その時の社員さんに聞いた話。 その社員さん(Aさん)は、中学生の時に親戚の叔父さんが経営する倉庫で、夏休みを利用してバイトするこ…

カーテンの上から

10年以上前の話ですが…。 大阪の某公園で、足を骨折して入院した時の出来事です。 その病院は夜21時に消灯する所で、取り敢えずベッドに横になっていた訳ですが、少し経ってから…

茶封筒

不思議な預かり物

これは大学の先輩が体験した実話。 その先輩は沖縄の人で、東京の大学の受験のため上京していた時のこと。 特に東京近郊に知り合いもいなかったので、都内のホテルに一人で宿泊してい…

ホテルの部屋(フリー写真)

真っ黒い塊

2年程前の話です。 広島から都内の会社の内定式に参加した私は、そのまま会社近くのビジネスホテルに一泊する事にした。 そのホテルは1階と2階が証券会社。3階と4階が客室。5階…

かしまさん

時は第二次世界大戦の日本敗戦直後、日本はアメリカ軍の支配下に置かれ、各都市では多くの米兵が行き交う時代でした。 ある夜、地元でも有名な美女(23歳の方)が一人、加古川駅付近を歩い…

しゃべれるんだな

自宅のトイレに大きな窓がある。ちょうどトイレの床から1メートルくらいのところに。 トイレの臭いを換気する為に、いつも10センチほど開けっ放し。 まあ、自宅代わりに借りてるビ…

ど田舎の小学校

俺は小学1年の夏に引っ越して、ど田舎の小学校に転入した。 引っ越す前までは気ままに過ごせていたんだけど、引っ越してからはよそ者ということも含めて周囲から浮いてしまい、アウェイな生…

放送室の女

どこの学校にも怖い話はいくつかあるものだけど、俺の母校の小学校は、なぜか怖い話が放送室にばかり集中している。 数え切れない噂があるんだけど、中には実際に起きている出来事もあったり…