ユダヤ人の隠し部屋

公開日: 心霊体験

クローゼット(フリー画像)

大学の夏休みに友達二人とドイツ郊外へ旅行に出掛けました。

小さな民宿に泊まり、その次の日は早朝からドライブする予定だったので皆んなで早めに床に就いたのですが、夜中に友人が魘されて目を覚ましました。

どうしたのかと聞くと、

「凄く怖い夢を見た。クローゼットの中にオバケが居て、その奥の方の暗い部屋に俺を閉じ込めようとした」

僕は『良い年こいてクローゼットのオバケって…』と呆れたのですが、友人は真剣に怯えていました。

それでクローゼットを開け「ほら、何も居ないだろ」と安心させてやりました。

翌朝、宿の奥さんを交え朝食をとっていると…。

「あなた達の泊まってる部屋に、大戦中ナチスから逃れるために作った隠し部屋があるんだけど、見せてあげるわ」

「それって、もしかしてクローゼットの奥ですか?」

「あら、知ってたの。でも結局ここの住人だった人は見つかって、収容所に入れられたんだって。悲しい話ねえ。戦争はもう懲り懲りよ」

ちなみにその魘された友人には半分ユダヤの血が入っていて、その日は一日中ブルーでした。

関連記事

花(フリー写真)

連れて帰って来た子

小学3年生の時、友達の妹が亡くなった。 医療事故とのことですが、詳細は不明。 私もよく一緒に遊んでいたので、お葬式に行った。 ※ 家に帰ると、当時3才の弟が普段とは違う…

黒電話

壁の中の秘密

1998年、草野正人さん(仮名・35歳)は転職を機に、家族3人で新しいマンションに引っ越した。 築年数の経過したこの建物は、3人の生活には十分な空間を提供していた。 異変…

学校の校門(フリーイラスト)

校門を閉じる習慣

私の通っていた高校には、17時のサイレンが鳴ると共に、用務員の人が急いで校門を閉める習慣がありました。 まだ下校のチャイムすら鳴っていないのに正門を閉めるのです。 生徒はい…

着信あり

自分なりに恐かった体験を書いてみようと思う。 もう4、5年は経ったし、何より関係者全員が無事に生きてる。 恐い思いをしただけで済んだのだからいいやと思う反面、やっぱりあれは…

厨房(フリーイラスト)

後天性の霊感

大学時代に横浜の◯内駅前のファミレスで、夜勤調理のバイトをしていました。 一緒に働いているバイトに二名、いわゆる見える人が居ました。 その二人(AとBにします)曰く、そのフ…

ビジネスホテル

警備のアルバイト

学生時代、都心のビジネスホテルで警備のアルバイトをしていました。 従業員の仮眠時間帯、深夜12時から明け方の5時まで、フロントの業務と巡回を一手に担っていたのです。 門限…

マッチの灯り(フリー写真)

墓場の幽霊

うちの近所にお墓がある。そこに一人で住んでいるおばあさんが体験した話。 ※ ある夜、そのおばあさんは布団に入って眠っていたが、人の気配を感じて起きたらしい。 だがそんなことは…

白金にまつわる話

知る人ぞ知る港区の白金トンネル。幽霊が出るという有名な場所だ。 この間、叔父さんから聞いた話。 都内で小さな商店を持ってる叔父さんは、その夜店も終わり、仕事関係の人に持って…

踏切(フリー写真)

開かない踏切

取引先の人から聞いた話。 それは最終電車も通り過ぎた踏切での事。 彼はお得意先のお偉いさんを接待した帰りだった。 付き合いでさほど強くない酒を飲んだ彼は、タクシーに乗…

校舎(フリー写真)

ツンバイさん

これは俺が小学5年生だった時の話だ。 当時、俺の通っていた学校では『心霊写真』を撮影するのが流行っていた。 俺のクラスの何人かも使い捨てカメラを持ち、放課後の校舎で幽霊が出…