鬼の面

公開日: 怖い話

婚約指輪(フリー写真)

私には15歳年の離れた兄が居ます。

私が10歳の年に、兄(当時25歳)がお見合いをしました。

ある程度話がまとまり、お嫁さんになるはずの方が家へ挨拶に来ました。

玄関で迎えた時には、綺麗なお姉さんだなという印象だったのですが…。

応接間で話をするうちに、少しずつ『鬼の面』のような表情に変って行ったのを覚えています。

その後、お姉さんは1、2週間に一度家へ遊びに来るようになりました。

しかし家に居る時間の長さに比例して、鬼の面のような表情が強くなって行くのです。

半年程経ったある日、応接間で談笑していたお姉さんは、鬼の面そのものの顔で中空を見つめながら、

「いつもいつもあんたのせいで嫌な思いをさせられる。もういい加減どこか行ってよ」

と大声で言った後、昏倒してしまいました。

救急車を呼んで病院に運び、少し落ち着いたお姉さんと家の両親が話をしていたのですが、お姉さんは

「家へ入る度に『般若の面』みたいなものが纏わり付いて来て堪らなかった」

と話していました。

程なくして、お姉さんの両親から縁談についてお断りの連絡が入りました。

それから20年。

兄は女性と付き合いはするのですが、結婚話がちらつくようになると霊的(そう勝手に決め付けていますが)な邪魔が入り、未だに結婚出来ていません。

関連記事

叩かれるドア

今年の年始だったんだが、夜に歩いて3分のコンビニまで酒買いに行ったんだ。まあ、難なく酒買って、寒いから一本空けながら帰ってたんだよ。iPodで大音量で音楽聴きながらハイ…

考古学の本質

自分は某都内の大学で古代史を専攻している者です。専攻は古代史ですが、考古学も学んでいるので発掘調査にも参加しています。発掘調査なんてものは場合によっては墓荒らしと大差な…

田舎の風景(フリー写真)

犬の幽霊

あれは小学6年生の頃、夏の盛りだった。僕は母方の田舎に一人で泊まりに来ていた。田舎のため夜はすることがなく、晩飯を食った後はとっとと寝るのが日課になっていた。 ※ …

寝たフリ

小学校の先生Aから聞いた話。高校の部活の合宿で、20人くらいが一つのでかい部屋に布団敷いて詰め込んで寝るってシステムだった。練習がきついからみんな疲れて夜10時には寝ち…

柿の木(フリー写真)

木守り

皆様は木守りという風習を御存知でしょうか。実った木の実を全て取り入れてしまわず、いくつか残す風習は昔からあって、取り入れずに残した実のことを木守り(きまもり)と呼びます。 …

山道(フリー写真)

出会った時間

これは以前働いていた会社の人の体験談です。会社の仕事が一段落つき、何の話からか怖い体験の暴露大会になった時に聞いたSさんの話です。 ※ Sさんは、遠く離れた所に住む友人の家…

フィルムノイズ(フリー素材)

白い影の正体

私は親族に、主に妻の家族に隠し事をしている。なぜ私だけが知り、なぜあの時、お義父さんが私だけに話したのか。それは10年以上経過した現在でも判らない。 ※ 妻の母親、…

青いテント

私は野生動物の写真を撮って自然誌に寄稿するという仕事をしていました。夜間に山中の獣道でテントを張り、動物が通るのを待って撮影する。また、赤外線センサーを用いて自動シャッ…

木造校舎

青い手首

ネタではありません。実際の体験談です。世田谷区立某小学校での出来事。 ※ 入学して1年間は、戦前からある古い木造校舎で過ごしました。2年生になった頃に木造校舎の建て…

村はずれの小屋

じっちゃま(J)に聞いた話。昔Jが住んでいた村に、頭のおかしな婆さん(仮名・梅)が居た。一緒に住んでいた息子夫婦は、新築した家に引っ越したのだが、梅は「生まれ故郷を離れ…