アーケードの文具店
仕事帰りに寄った商店街のアーケード。いつもは通り過ぎる場所に、見覚えのない古い文具店があった。翌日、その場所には壁しかなかった。…
仕事帰りに寄った商店街のアーケード。いつもは通り過ぎる場所に、見覚えのない古い文具店があった。翌日、その場所には壁しかなかった。…
引越し先のアパートで、毎晩22時になると隣室から廊下を歩く音がする。管理会社に確認すると「その部屋は1年半空室です」と言われた。…
島根の地方紙で投書欄を担当していたころ、山あいの集落から一字一句まったく同じ本文の手紙が、毎回二通ずつ届きました。筆跡はわずかに違い、片方の消印は二十年も前に廃…
北海道・室蘭の古い病院で左手首を手術した夜、赤いパジャマの女の子が痛む腕を撫でてくれました。けれど、その病院の小児科は三年前になくなっています。四階の突き当たり…
谷で拾った字は声に出して読むな——祖母の言い付けを、俺は面倒くさがって妹に押し付けました。その晩から妹は声を失い、三十七日目に姿を消します。徳島の山あいの集落で…
川べりの古いアパートの向かいで、少女は毎晩ベランダから星を見上げていた。話しかけると、風が吹くたびに、こくりと頷く。けれど向かいの棟は、五年前から誰も住まない空…
持つ者に天下を与え、手放す者の命を取るという黒い穂先「禍鉾」。戦国、幕末、大正と、その持ち主はみな栄華の果てに、手放した刹那に命を落とした。京の古美術商が、みず…
築四十年のアパートで、深夜に隣室から響く「リン!リリン!」という不気味な声。まじないか、それとも何かを呼ぶ儀式か。震えながらドアの隙間を覗いた先にあったのは、思…
夕暮れの古い鳥居の奥に灯る光をめぐる、不思議な話の実話怪談です。手招きするように灯った淡い光。近づくほど濃くなる靄と、背筋を這う冷たい感覚の正体を、祖母は声をひ…
福井の洞ヶ谷ダムで拾った沈み木を水槽に入れてから、なぜか水位だけが下がるようになった怖い話です。等間隔にあいた四つの穴の意味を郷土誌で知ったとき、私は自分が何を…