年賀状をくれる人

公開日: ほんのり怖い話 | 不思議な体験

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高校生の時から今に至るまで、十年以上年賀状をくれる人がいる。

ありきたりな感じの干支の印刷に、差出人の名前(住所は書いてない)と、手書きで一言「彼氏と仲良くね!」とか「合格おめでとう!私も頑張るよ!」とか添えてある。

ただ、私はその相手の事を全くと言って良いくらい知らない。

中学の時に同じクラスだった事はあったが高校は別だし、多分中学でも話した事はなかったと思う。

不思議なのが、「彼氏と仲良くね!」の時に私に彼氏がいた、「合格おめでとう!」の時、私がある資格試験に受かっていた、という点。

適当に書いたにしては、私の私生活と妙に合致する。

更に不思議な点、というか不思議を通り越して怖いのが、私は大学入学時に実家を出て他県で一人暮らしだったのに、大学生の間はその年賀状が、実家ではなく一人暮らしのアパートの部屋に届いていた点。

これが異性からなら警察にも行っただろうけど、女が女に年賀状送りつけるくらいの事で警察はなあ……と今まで放っている。他に何か実害があるわけでもないので。

ちなみに中学の同窓会に行った時、本人が見当たらないので周りに聞いたら、本人と同じ高校に行った中の数名が辛うじて名前と顔を憶えていたくらいで、高校の後の動向は誰も知らなかった。

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