婆ちゃんの戦時中の話

版画(フリー素材)

昔、婆ちゃんから聞いた戦時中の話を一つ。

第二次世界大戦中、うちの婆ちゃん(サノ)が10歳の頃の話です。

婆ちゃんはお姉さんと避難のために親元を離れ、田舎の遠い親戚の家に預けられていました。

しかしこの村にも爆弾が落とされ、沢山の人が死に、親戚の人も亡くなってしまいました。

サノとお姉さんはそこには居られなくなり、その日の内に隣の県にあるもう一つの親戚の家に行くことになりました。

空襲で線路は壊され、歩いて行く事になりましたが、道は険しく食料不足のため治安も最悪でした。

人気の無い山道を選んだがとても寒く、そんな時は「新聞紙を服の中に挟むと暖かいよ」とお姉さんが優しくサノを守ってくれました。

何とか県境へ入り、そこからバスで親戚の家へ向かいました。

バスの中でサノはいつの間にか寝てしまい、目を覚ますと親戚のおばさんに

「よく一人で来たね、サノちゃんはホントにえらいわー」

と言われました。

起きると姉は居なくなっていました。

それどころか姉は実家に居た時、サノが9歳の頃に既に肺炎で亡くなっていたのでした。

この1年間、共に過ごした姉はこの世の人ではなかったのです。

関連記事

呼び寄せられた仲間

僕が大学生のころ。あれは確か昭和63年12月の出来事でした。同じ高校の友達と2人で神戸三宮に出ていたら、別の高校卒業以来の友達と出くわした。 「おお、久々じゃないか」となって…

あやかし

工事中の仏閣を見た。仏像があるべき場所をクレーンのようなものでパーツがくるくる回っている。俺は竹やぶに続く仏閣を参拝しようと山に入っていった。浅く霧がかかっていてなんとも神聖な…

田舎の夜(フリー素材)

鏡に写る幽霊

僕は現在、建築関係の仕事をしています。主にシステムバスの施工職人をしていて、大体一日で作業を終了しないといけないため、夜遅くまで仕事をすることが多々あります。これは僕が…

並行宇宙(フリー素材)

史実との違い

高校時代、日本史の授業中に体験した謎な話。その日、私は歴史の授業が怠くてねむねむ状態だった。でもノートを取らなければこの先生すぐ黒板消すしな…と思い、眠気と戦っていた。…

きよみちゃん

私が小学校三年生の時の話です。そのころ、とても仲よしだった「きよみちゃん」という女の子がクラスにいました。彼女と私は、学校が終わると、毎日のようにお互いの家を行き来して…

昔の電話機(フリー画像)

申し申し

家は昔、質屋だった。と言ってもじいちゃんが17歳の頃までだから私は話でしか知らないのだけど、結構面白い話を聞けた。田舎なのもあるけど、じいちゃんが小学生の頃は幽霊はもちろん神様…

恐怖のスイカ蹴り

俺の爺ちゃんの終戦直後の体験談。終戦直後のある夏の夜の出来事、仕事で遅くなった爺ちゃんは帰宅途中の踏切にさしかかる。当時は大都市と言っても終戦直後のため、夜になれば街灯…

不思議な手紙と異常な部屋

去年の暮れ、会社に一通の手紙が届いた。編集プロダクションに勤めている俺への、名指しの手紙だった。中を読むと自分のエッセイを読んで添削して欲しい事、そして執筆指導をして欲…

木更津古書店

これは自分の体験談という訳ではないんですが…。幽霊やなんかの仕業なのかもよく分かりません。私も大分絡んではいるんですが、祖母の様子がちょっと変なんです。原因は判っています。一通…

山道(フリー写真)

やまけらし様

俺の家は物凄い田舎で、学校へ行くにも往復12キロの道程を自転車で通わなければならない。バスも出ているけど、そんなに裕福な家でもないので、定期を買うお金が勿体無かった。学…