2才児の直感

公開日: 不思議な体験

dziecko

家の子は2才くらいまでは色々と見える子だった。

印象深いのは、20年ぶりくらいに中学の同級生が訪ねてきた時のこと。

その同級生は、昔は性悪で金の亡者だったが、金持ちと結婚してセレブの奥さまになり、お互い良い歳の中年になったのだから、彼女も変わったと信じて会うことにした。

というか、実家を知られているし電話番号も変わっていないから逃げられない。

私が遠方に嫁ぎ、彼女とは縁切り状態で完全無視してた間も、ストーカーのように一方的に実家に連絡や訪問があったらしい。

彼女が訪ねてきた時、ちょうど子供のオムツ替えやおしり洗いでお風呂場にいて、チャイムの音を聞いて玄関に子供だけが走って出迎えに行ってしまった。

双子のためもう1人を洗わなければいけないので出られなかったが、慌てて子供を連れにいくと、勝手に玄関のドアを開けて入ってきた彼女を見て子供が激しく泣き出した。

戸惑った顔をしている彼女に悪くて、必死に子供をなだめて彼女から引き離した。

双子ということで、赤ん坊の頃から見知らぬ人から笑いかけられ、話しかけられまくりで、人間大好き、知らない人大好き、人見知りまったくなしの天使状態だったから「他人を見て泣く」というのは初めてで、私もびっくりした。

その後、彼女が私に接近してきたのは詐欺にかけるためだということが判り、2度目の絶縁後もストーカーのごとく粘着され、嫌がらせも受け、あの女は少しも成長していなかったと思った。

彼女が私に執着した理由は、私が天然で騙しやすい人間だからで、遥か過去を思い出してみると、散々利用され騙された思い出しかなかった。

その女の本質を一目で見抜くなんて、2才児はすごい。

関連記事

爺ちゃんとの秘密

俺は物心ついた時から霊感が強かったらしく、話せるようになってからは、いつも他の人には見えない者と遊んだりしていた。 正直生きている者とこの世の者ではないものとの区別が全くつかなか…

踏み入るべきではない場所

私がまだ小学校低学年の幼い子供だった頃、趣味で怖い話を作っては家族や友達に聞かせていました。 「僕が考えた怖い話なんだけど、聞いてよ」と、きちんと前置きをしてからです。 特…

河童淵(フリー写真)

河童

幼稚園の頃、祖父母の住む田舎に行った時、不思議な生物に会いました。 のんびりとした田舎町で、周りに住んでいる人全員が家族のように仲が良い場所なので、両親も心配せずに私を一人で遊び…

坂道

時間が止まる坂

この話は私が小学2年生の時のことです。 クラスで仲の良かった友人が、興奮気味に「すごい場所があるんだよ!今日行こうぜ!」と誘ってきた。 その友人は普段から「宇宙人を見た」…

第二次世界大戦(フリー素材)

再生

祖父が戦争中に中国で経験した話。 日本の敗色が濃くなってきた頃、祖父の入っていた中隊は中国の山間の道を南下していた。 ある村で一泊する事になり、祖父達下士官は馬小屋で寝る事…

女性の後姿

勘の鋭い姉の話

一年前から始めた一人暮らし以降、私は不眠症に悩まされるようになった。数ヶ月前、普段霊などには触れない勘の鋭い姉が遊びに来た時、彼女は「ここ住んでるんだ。そうかそうかなるほどね」と何や…

谷川岳(フリー写真)

谷川岳の救難無線

大学のワンゲル時代の話。 部室で無線機をチェック中に、 「どうしても『SOS』としか聞こえない電波がFMに入るんだけど、どう?」 と部員が聞いて来た。 その場に…

死後の世界への扉

これは母から聞いた話です。 私の曽祖父、つまり母の祖父が亡くなった時のことです。 曽祖父は九十八歳という当時ではかなりの高齢でした。 普段から背筋をぴんと伸ばし、威厳…

幼稚園児(フリー写真)

死期を悟る子

小学校に上がる前の小さな男の子の話です。 その子が通っていた幼稚園で乗り物をテーマに絵を描くことがあり、子供達はそれぞれ船や飛行機、車などの絵を描きました。 小さな子供の…

渦人形(長編)

高校の頃の話。 高校2年の夏休み、俺は部活の合宿で某県の山奥にある合宿所に行く事になった。 現地はかなり良い場所で、周囲には500~700メートルほど離れた場所に、観光地の…