消えて行く同級生
公開日: 不思議な体験
小学校から仲の良かったAとBと自分。
高校からは学校が分かれたのだが、お互い実家は近所だったので偶に町中で会ったりしていた。
※
しかし私が県外の専門学校へ入学し、Bが市内の量販店勤務になった頃…。
突然、Aの情報がぱたりと途絶えた。
成人式にも現れなかったので不思議に思った私とBは、成人式の帰りに共通の知人であるCも交え、Aの家に行ってみた。
家に行くとAのお母さんが玄関に出て来たので、
「今日、Aは何で来なかったの?」
と聞いたら、変な顔をして
「うちにはAなんて居ません」
と言われた。
私とBは小学校の頃、この家に遊びに来たことが何度もあり、おばさんとも当然顔見知りだった筈だ。
しかしおばさんは私とBのことも知らないと言った(Cは来たことは無かった)。
そんな筈は無いと幾ら説明しても話が噛み合わず、仕方無くAの家を後にした。
※
何だか訳の解らないままその時は解散し、お互い家に帰って家の人にその話をしたところ、
「あの家にAなんて同年代の子居たかしら?」
とのこと…。
夜に3人でそのことについて電話で話し合い、
「もしかして、うちらが名前か何か間違ってる?」
という話になり、
「あ、そうだ!小学校の卒業アルバムを見れば!」
とお互いアルバムを探したが、何故か誰もアルバムを見つけることが出来なかった。
それどころか、小学校の頃のクラス写真などみんなで写っている写真が一枚も見つからなかった(個人写真や、数人で写っているものはあった)。
※
今だに理解出来ない不思議体験だ。
更にこれの数年後、今度はCが「Aって誰?」と言い出し、私とBは唖然とした。
私達もその内、Aのことを忘れてしまうのだろうか…。