おばあちゃんが結んだ御縁
半年前に誕生日を迎えたんだけど、その夜に不思議な夢を見た。
昔のおじいちゃんの家で正座をしていて、辺りを見渡していたら、ふとおばあちゃんが入って来た。
おばあちゃん、四歳の時に死んでいるんだよ。
その家ももうとっくに無いので夢だと分かっていたんだけど、それでも嬉しくて
「うわー、おばーちゃーん」
と抱き着こうとしたの。
そしたらおばあちゃんは、メッという怖い顔をして正面に座った。
そして、
「あんた、まだ結婚せんと?」
と聞いてきた。
「しようにも相手おらへんし」
と答えたら、おばあちゃんはふーっと溜め息を吐いて消えた。
そこで目が覚めた。
※
その直後、彼氏が出来た。七年ぶりくらいに(笑)。
それで驚いたのは、彼氏が家に来た時にピアノの上のおばあちゃんの写真を見て、滅茶苦茶驚いた顔をしていたの。
「どうしたん?」
と聞いたら、
「夢の中に出てきた」
って…。
「うちに縁の無い孫が居るからもらってくれ」
と言われたらしい(笑)。
ただ単におばあちゃんが心配性だったのか、それとも心配するほど私に縁が無かったのかは分からないけど、取り敢えず凄いスピードで今月彼と結婚する。
プロポーズは、
「おばあちゃんにもお願いされたから」
嬉しいんだけど、何か複雑な気分だった(笑)。