逃げられると思ったのか

SamsaraNew3

勉強もできず、人とのコミュニケーションも下手。

こんな僕は、誰にも必要とされていないんだろう。

家では父のサンドバッグ。暴力はエスカレートして行く。

とても悲しかった。

「逃げられると思ったのか」

家出をしても、すぐに見つかった。いつもの倍殴られた。

とろい僕が悪いんだ。

妊娠している母は、姉と楽しそうに話しながら夕食を作っていた。

こんな辛い生活も、今日で最後だ。

意識が徐々に薄くなっていく。

こうすることを、望んでいたんだろう。みんなが、僕が…。

ああ、死んでやるさ。お望みどおりな!

数ヵ月後―

「元気な男の子です!」

おじさんっぽい声がそう言った。

僕は悲しくもないのに、大声で泣いている。

ゆっくり目を開けると、男と女が僕を見つめていた。

どこか懐かしい人達。

男は優しい声で言った。

「逃げられると思ったのか」

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