カゴカキ

公開日: ほんのり怖い話

葛飾北斎(フリー浮世絵素材)

昔から続く怪異。

愛知県○○市。その昔、少なくとも200年以上前の話。

岡崎城の城下町は、天下を二分するほど賑わっていたらしく、駕籠を担いで人を運ぶ『カゴカキ』と呼ばれる人たちがよく行き交っていた。

そんな中、カゴカキの中に、妙なカゴカキが出始めたようだ。

中に客を乗せながら籠を背負う、前の者も後ろの者も、そして中の客も一様に右を向いている。

すれ違う町民が何だろうと釣られて見るも、特に変わった様子も無い。

妙なものだと思いつつ、暫くして何となく振り返ると、まだ同じ様子なのだという。

客を乗せた所も下ろした所も判らなければ、そこそこ良い身分であろう客の正体も判らない。

そんなモノを見かける町民が次第に増えて行き、城下町の怪異となって行った。

現在も怪異は続いているらしく、どことも知れない工場の送迎バスらしきバスの運転手が、右を向いたまま走行。

そしてすれ違う瞬間、客席の全員右を向いている工場作業員に驚くと共に、頭の中ではお経がこだまするという。

最近、この近辺でこのような噂を耳にするようになった。

関連記事

お婆さんの手(フリー写真)

差し出された手

これはある寝苦しい晩に体験した出来事です。その日、猛暑と仕事で疲れていた私は、いつもより早目の21時頃に、子供と一緒に就寝することにしました。疲れていたのですぐ寝入るこ…

義理堅い稲荷様(宮大工9)

晩秋の頃。山奥の村の畑の畦に建つ社の建替えを請け負った。親方は他の大きな現場で忙しく、他の弟子も親方の手伝いで手が離せない。結局、俺はその仕事を一人で行うように…

俺が薪を嫌悪する理由知らない?

俺ね、物心ついた時から“薪”がどうしてもダメだったんです。あの木を割った棒きれが。どうダメだったかと言うと、例えば『北の国から』などのドラマで薪が出ると、物凄い嫌悪感というか吐…

天井(フリー素材)

十時坊主

ある日、バイト先に群馬生まれの男が入って来た。そこでの俺は勤務年数が長かったので、入って来るバイトに仕事の振り分けや作業指導などの仕切りをやっていた。仕事を共にして行く…

昔の電話機(フリー画像)

申し申し

家は昔、質屋だった。と言ってもじいちゃんが17歳の頃までだから私は話でしか知らないのだけど、結構面白い話を聞けた。田舎なのもあるけど、じいちゃんが小学生の頃は幽霊はもちろん神様…

不敬な釣り人の顛末(宮大工11)

とある休日、久しぶりにオオカミ様の社へと参りに出かけた。途中、酒を買い求めて車を走らせる。渓流釣りの解禁直後とあって、道には地元・県外ナンバーの四駆が沢山停まっている。…

抽象的(フリー素材)

親父の予言

数年前、親父が死んだ。食道静脈瘤破裂で血を吐いて。最後の数日は血を止めるため、チューブ付きのゴム風船を鼻から食道まで通して膨らませていた。親父は意識が朦朧としていたが、…

山(フリー写真)

山に棲む大伯父

もう100年は前の事。父方の祖母には2歳離れた兄(俺の大伯父)が居た。その大伯父が山一つ越えた集落に居る親戚の家に、両親に頼まれ届け物をしに行った。山一つと言っても、子…

新聞(フリー素材)

リアル恐怖新聞

私は46歳の鎌倉富士夫似の男性です。菓子工場で副工場長をしております。趣味はドライブです。好きなタイプは長谷川京子ですが、妻は天地真理似(現在の)ですまあ、それは良いと…

猫の親子(フリー写真)

魔法の絆創膏

俺がまだ幼稚園生だった頃の話。転んで引っ掻き傷を作って泣いていたら、同じクラスのミヤちゃんという女の子に絆創膏を貰ったんだ。金属の箱に入ったもので、5枚くらいあった。 …