カゴカキ

公開日: ほんのり怖い話

葛飾北斎(フリー浮世絵素材)

昔から続く怪異。

愛知県○○市。その昔、少なくとも200年以上前の話。

岡崎城の城下町は、天下を二分するほど賑わっていたらしく、駕籠を担いで人を運ぶ『カゴカキ』と呼ばれる人たちがよく行き交っていた。

そんな中、カゴカキの中に、妙なカゴカキが出始めたようだ。

中に客を乗せながら籠を背負う、前の者も後ろの者も、そして中の客も一様に右を向いている。

すれ違う町民が何だろうと釣られて見るも、特に変わった様子も無い。

妙なものだと思いつつ、暫くして何となく振り返ると、まだ同じ様子なのだという。

客を乗せた所も下ろした所も判らなければ、そこそこ良い身分であろう客の正体も判らない。

そんなモノを見かける町民が次第に増えて行き、城下町の怪異となって行った。

現在も怪異は続いているらしく、どことも知れない工場の送迎バスらしきバスの運転手が、右を向いたまま走行。

そしてすれ違う瞬間、客席の全員右を向いている工場作業員に驚くと共に、頭の中ではお経がこだまするという。

最近、この近辺でこのような噂を耳にするようになった。

関連記事

逃げられると思ったのか

勉強もできず、人とのコミュニケーションも下手。こんな僕は、誰にも必要とされていないんだろう。家では父のサンドバッグ。暴力はエスカレートして行く。とても悲しかった…

峠(フリー写真)

夢の女と峠の女

俺は幽霊は見たことがないのだけど、夢とそれに関する不可思議な話。中学3年生くらいの頃から、変な夢を見るようになった。それは、ショートヘアで白いワンピースを着た二十代くら…

住宅(フリー写真)

苦労かけるな

夜に2階の自室で、一人で本を読んでいた時のこと。実家は建てた場所が悪かったのか、ラップ現象が絶えなかった。自分は単に家鳴りだと思っていたのだが、その日はポスターから音が…

高校の頃の同級生、Aちゃんにまつわるほんのり話。自分で言うのもなんだが、母校は地元でも有名な進学校。女性担任が成績の良い生徒には優しく、悪い生徒には冷たい典型的な学歴コ…

山の神様

俺が体験した不思議な話。母方の実家は山奥の大きな家なんだが、今その家には祖父母と叔父叔母と従兄弟(40近いおっさん)が住んでいる。うちからは少し遠いこともあって、なかな…

優しさを大切に

俺が小学校1年生ぐらいの時の話。その頃、俺はおとなしくて気の弱い方で、遊ぶのも大体おとなしい気の合う子達とばっかり遊んでいた。でも何がきっかけだか忘れたけど、ある時に番…

キャンプ場

少女のお礼

この話は僕がまだ中学生だった頃、友人の家に泊まりに行った時に聞いた話。友人と僕が怪談をしていると、友人の親父さんが入って来て、「お前たち幽霊の存在を信じてるのかい? 俺…

古い一軒家(フリー写真)

黒く塗り潰された家

昔、今とは別の仕事をしていた時の事。その日はいつも居る支店とは違う支店エリアでの営業で、渡された地図を片手に歩きながら、飛び込み営業の仕事だった。目的のエリアに着いて『…

林(フリー写真)

墓地に居た女性

霊感ゼロのはずの嫁が、5歳の頃に体験した話。嫁の実家の墓はえらい沢山ある上に、あまり区画整理がされておらず、古い墓が寺の本堂側や林の中などにもある。今は多少綺麗に並んで…

桜の木の神様

今は暑いからご無沙汰しているけど、土日になるとよく近所の公園に行く。住宅地のど真ん中にある、鉄棒とブランコと砂場しかない小さな公園。子供が遊んでいることは滅多にない。と…