磨りガラスの人影

公開日: 怖い話

磨りガラス(フリー写真)

友人から聞いた話です。

数年前に彼が東京で一人暮しをしていた時のこと。

当時付き合っていた彼女が家に来ることになっていたので、夕方の17時くらいでしょうか、彼はシャワーを浴びようと浴室へ向かいました。

シャワーを浴びて汗を流していると、浴室と脱衣スペースを隔てる磨りガラス越しに、じっと立っている人影があることに気付きました。

しかし彼は、きっと彼女が来たのだろうと考え、気にも留めずシャンプーを手に取り頭を洗い始めました。

暫くして風呂を上がると、同時に玄関のドアが開き、彼女が入って来ました。

不思議に思い彼女に尋ねると、いま来たばかりだと言いました。

おかしいなと思いながらも、大雑把な性格の彼は深く考えずに、見間違えでもしたのだろうと自分を納得させました。

数日後、彼が同じようにシャワーを浴びていると、再び磨りガラスに人影があるのに気付きました。

流石に気味が悪くなり、助けを呼ぼうかと思いましたが、今度こそ彼女かもしれない…。

そう考えていると、その人影が急に磨りガラスに顔面を押し付けて来て、見知らぬ女の引き攣った物凄い形相が浮かび上がりました。

彼は心臓が止まるかと思うほど仰天し、情けない声を上げて叫びました。

女は暫く鋭い目付きで睨んだ後、走って逃げて行ったそうです。

後日、彼はそのアパートを引き払い、別の場所に移り住みました。

関連記事

犬(フリー写真)

八房

「この犬は普通の犬じゃありません。それでもいいんですか?」それが私が後に八房と名付ける犬を引き取ると言った時の、団体の担当者の言葉だった。詳しく話を聞いてみると、こうい…

ロシアの軍艦(フリー素材)

ロシアの軍事教練所

バルチック爺さんが日露戦争中に見聞した話です。彼はその後、関西の都市部で衛星看護兵の訓練に携わりました。そこで知り合った医務教官から聞いた話だという事です。その…

六甲山ハイウェイの死神

私には「霊感」という物が全く無く、またそういった類の物も信じてはおりませんでした。「見える」という友人から霊の話を聞いていても、自分に見えないと存在が解らないし、また友人が私を…

真っ白ノッポ

俺が毎日通勤に使ってる道がある。田舎だから交通量は大したことないし、歩行者なんて一人もいない、でも道幅だけは無駄に広い田舎にありがちなバイパス。高校時代から27歳になる現在まで…

生霊

この前、職場の同僚Aと居酒屋で飲んでいたときの話。偶然、俺の前の職場の飲み会とカチ合った。俺は特に問題があって辞めたわけじゃないし、前の職場の人とも仲が良かったので、合…

祖父の箱

旅先で聞いた話。伐り倒した木を埋めておくと、稀に芯まで真っ黒になることがある。そんな埋木を使って特殊な方法で箱を作ると、中に女子が育つそうだ。ただし、箱を開ける…

笈神様(おいがみさま)

その日の夜、私は久し振りに母に添い寝してもらいました。母に「あらあら…もう一人で寝られるんじゃなかったの」と言われながらも、恐怖に打ち勝つ事は出来ず、そのまま朝を迎える事となりました。…

目の前で交通事故を目撃した

某ファミレスの駐車場で、交通事故を目の前で目撃したある女性の話だ。直線道路で対向車が急に反対車線に飛び出して来ての正面衝突事故だった。飛び出した方は軽自動車で、相手はト…

ドルイド信仰

ドルイドとは、ケルト人社会における祭司のこと。「Daru-vid: オーク(ブナ科の植物)の賢者」の意味。ドルイドの宗教上の特徴の一つは、森や木々との関係である。ドルイ…

少年と祖母

今年33歳になるが、もう30年近く前の俺が幼稚園に通っていた頃の話です。昔はお寺さんが幼稚園を経営しているケースが多くて、俺が通ってた所もそうだった。今にして思うと園の横は納骨…