拝み屋の不思議な子

柿の木(フリー写真)

うちの母方の家系はいわゆる拝み屋。元は神社だったのだけど、人に譲ってから拝み屋をやっていた。

拝み屋と言っても儲からない。お金は取っちゃいけないから兼業拝み屋。

でもひいじいちゃん、ばあちゃん、そして伯父さんと拝み屋を続けている。

母親は三兄弟の真ん中で、三人の中ではあまり力が無かったらしい。殆ど見えないし払うことも出来ない。

そして一番強かったのが長女の叔母さん。そこに居るだけで全てのものを食べてしまう(?)らしい。

でも跡取りを決める時、叔母さんが

「私は長く持たないからね」

と辞退し、伯父さんが継いだ。

その叔母さんも上京して結婚し、子供を産んだ。

一人目は何とも無かったのに、二人目を産んだら力が綺麗さっぱり無くなった。

と言うのも、叔母さん曰く二人目の子が家系の中で一番強いらしい。

叔母さんが強かったのは、二人目が生まれるまでに死なれたら困るからで、産んだ今は用無しらしく全く力が無くなったそうな。

その二人目の子が不思議な子だった。

障害があり、年より幼いのだけどギリギリ意思疎通は出来る感じ。

そんな子なのだけど、例えば山の中を歩いていると、木や草が避ける。本当にその子の前だけ道が出来る。

後ろを歩いていると、その反動で木の枝が顔にヒットするぐらい(笑)。

鳥や獣も野生だろうがペットだろうが関係なく懐く。野生の雀が肩に止まるなんて初めて見た。

一番驚いたのが、

「お腹空いたね」とその子に言ったら、

「じゃあお願いするね」と柿の木に頼んだ。

そうしたら柿の実が二個、ぽとんぽとんと落ちて来た。風も無いし、揺れてもいないし、動物もいなかった。

怖い思いどころか助けてもらうことが多いので、怖くはないけど凄く不思議。

関連記事

怪談ドライブ

もう十数年前、大学生だった私は、部活の夏合宿に出かけ、その帰り、大学の合宿施設の近くに実家のある先輩に誘われて、地元の花火大会を見学していた。 花火大会の後、会場近くの河原で買い…

空(フリー写真)

石屋のバイト

私は二十歳の頃、石屋でバイトをしていました。 ある日、お墓へ工事に行くと、隣の墓地に自分の母親くらいのおばさんが居ました。 なぜかその人は、私の働く姿を見守るような目で見て…

もう一つの顔

学生時代の友人のM美の話をしようと思う。 その日、私はM美が一人暮らしをしているアパートへ遊びに行った。 私は絨毯に横になりながら、M美はベッドに腰掛けてのんびりくつろいで…

でちゃいかん!

小学校の低学年の時、風邪ひいて学校を休んでいた時のこと。 インターホンが鳴ったので出ると「警察の者です。お父さんが交通事故にあって助からないかもしれない。すぐに病院に来て欲しいので、出て…

胎内の記憶

5才くらいの頃の体験なんだけど、白装束かローブのようなものを着た、髭もじゃの外国人のおじさんの家によく遊びに行っていた。 それが夢なのか実際に行っていたのかはよく分からない。 …

家(フリー素材)

予兆

会社からの帰宅途中に新しい家があり、その家のベランダを見たら女性が体育座りをしている。 それだけだったら変じゃないけどさ。 よく見たら家族で体育座りをしているんだよね。 …

カオル

バイト先の会社の寮で、幽霊騒ぎがあった。 俺は入社して1年も経たないのでよく知らなかったが、以前から気味の悪い事が起こっていたらしい。 寮に入っている社員のTさんの部屋が、…

封じ(長編)

アパートに帰り着くと郵便受けに手紙が入っていた。色気のない茶封筒に墨字。間違いない泰俊(やすとし)からだ。 奴からの手紙もこれで30通になる。今回少し間が空いたので心配したが元気…

公園(フリー素材)

謎のおじいちゃん

今になっても一体何だったのか解らない謎な体験です。 小学5年生の時でした。日曜の夕方、通っていた小学校の校庭の砂場で弟と遊んでいました。 段々と辺りが暗くなってきて、そろそ…

夕日(フリー写真)

ドウドウ

小学校低学年の頃、友人Kと何回か『ドウドウ』という遊びをした。 どのような遊びかと言うと、夕方17時~18時くらい、家に帰るくらいの時間になると、俺かKのどちらかが 「ドー…