おぶって来たご先祖様

座敷(フリー素材)

ある女性歌手が幼少期、お盆の時期にお婆ちゃんの田舎で経験した話。

地方なので、家々の周りの畑や田んぼの中に先祖代々の墓があるような土地。

そこのお盆の風習で、親戚の中で一番年少の者が夜に提灯を持って一族の墓の前に行き、墓石に背を向けてしゃがみ、ご先祖様の霊を『おんぶ』してから家に連れて戻って来る儀式があるそうだ。

そして彼女がその役目の年の事。

蝋燭の火が点いた提灯だけを頼りに、恐さを我慢して家を出発。

しかしお墓の手前で火が消えてしまい、恐くなってそのまま引き返してしまった。

どうせ誰も見ていないからと、儀式通りにご先祖様をお連れした事にした。

そして仏壇の前に『おぶってきたご先祖様』を下ろす動作をして見せ、儀式は終了。

周りの大人達はご先祖様を囲んだ食事会の用意に取り掛かった。

しかし、仏壇の前に座っていたお婆ちゃんが「今年はご先祖様、帰って来ないね」と呟いたそうだ。

関連記事

田舎(フリー素材)

ワラズマ

子供の頃に変なものを見た。遠縁で実際は血が繋がっていないんだけど親同士の仲が良いので、俺は夏休みになると毎年○家に何泊かしていた。俺はその頃4歳くらいだった。 ※ …

廃墟でサバゲー

夏の終わりの頃の話。その日は会社の夏休み最終日ということもあり、仲の良い8人を集め地元の廃墟でサバゲーをすることにしたんだ。午前中に集まって、とことんゲームをしようと決…

テープレコーダー

これは友人から聞いた話。ある男が一人で登山に出かけたまま行方不明になった。3年後、湿地帯でその男の遺骨が発見され遺留品も回収されたが、その中には一つのテープレコーダーが…

雪国(フリー写真)

無医村

爺ちゃんは当時、凄い田舎の山村に住んでいて、村にはあまり評判の良くない医者が一軒しかなかった。ある時、爺ちゃんの知り合いの年配の男性が盲腸になり、仕方なくその医者に手術してもら…

霧の立ち込める山(フリー写真)

鷹ノ巣山の霧

大学2年の6月に不思議な体験をしました。当時、私は大学の野生生物研究会に入っていました。研究会のフィールドは奥多摩の鷹ノ巣山で、山頂付近の避難小屋を拠点にデータの収集を…

夕暮れの山(フリー写真)

まるまる様

昔、祖父が山の近くで自営業を営んでいた。祖母と母と俺は偶に山の方に入り、ワラビを採っていた。これを焼いたり茹でたりして、マヨネーズを付けて食べると美味い。その時…

笈神様(おいがみさま)

その日の夜、私は久し振りに母に添い寝してもらいました。母に「あらあら…もう一人で寝られるんじゃなかったの」と言われながらも、恐怖に打ち勝つ事は出来ず、そのまま朝を迎える事となりました。…

小島(フリー写真)

海女さんの心霊体験

私は23歳で、海女歴2年のあまちゃんです。泳ぐのが好き、結構儲かる、という理由でこの仕事をしていますが、不思議な体験をした事があります。 ※ 海女になりたての頃、自分に付い…

カンカン(長編)

幼い頃に体験した、とても恐ろしい出来事について話します。その当時私は小学生で、妹、姉、母親と一緒に、どこにでもあるような小さいアパートに住んでいました。夜になったら、い…

炎(フリー写真)

呪い人形

呪いの藁人形をご存知ですか?それに関する話です。私は仕事柄転勤が多く、各地を転々としていました。時にはアパート、時には貸家。私が山口の萩という所に転勤に…