廃屋の歯の謎

公開日: 不思議な体験 | 怖い話

廃墟

高校生の頃の話です。実家で犬を飼っていました。弟が拾ってきた雑種犬です。

その犬を2年ほど飼っていると、家族の一員のように感じるようになり、私も時々散歩に連れていました。

ある休日の朝、早く目覚めた私は、犬を散歩に連れ出しました。

当時気になっていた女の子の近くまで行くため、いつもとは違う道を散歩していました。

犬は途中で戸惑いながらも、ある場所で動かなくなりました。耳を立てて周囲を警戒しているようでした。

犬が取り壊し中の家の方へ歩き始め、そこで吠え出しました。まるで空中に何かがあるかのように。

犬が家の中へ歩いていくので、私もついて行きました。

半壊した家の中で、犬は瓦礫の隙間を嗅ぎ始めました。そこには小さな箱がありました。

好奇心から、箱を開けてみると、中には人間の歯がたくさん入っていました。

白い小石のように見えたそれらは、実際には人間の歯だったのです。

箱には何百個もの歯が詰められていました。私は驚いてすぐに蓋を閉め、元の場所に戻しました。

犬は私が驚いている様子を見て、何か嬉しそうに吠えていました。

その後、私はその地域の古い歴史を調べました。

調査の結果、かつてその地域で行われていた古い儀式についての情報を見つけました。

その儀式では、人々の歯を集めて、ある種の祈りを行っていたと記されていました。

私が見つけた歯の箱は、もしかするとその儀式の名残りだったのかもしれません。

廃屋の歯の謎は、その土地の古い伝統と関係がある可能性があるのです。

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