異世界村(長編)
自分の体験した少し現実味のない話です。 自分自身、この事は今まで誰にもしたことがないし、これからも話すつもりはありません。 それにこの書き込み以降、僕が他人と話…
説明のつかない体験をしたことはありますか。偶然とは思えない出来事、夢と現実の境界線、時間が止まったような瞬間——実話をもとにした不思議な体験談を集めました。読み終わった後も、じわじわと余韻が続きます。
自分の体験した少し現実味のない話です。 自分自身、この事は今まで誰にもしたことがないし、これからも話すつもりはありません。 それにこの書き込み以降、僕が他人と話…
県境の低い山にあるという工事中の寺を、後輩と二人で探しに行きました。霧の参道で墨染めの行列に出会い、袖から腕が覗いた瞬間、そのうちの一体が参道の先へ声を張り上げ…
ゲーム好きだった祖母を亡くした春、孫だけで集まってテトリスを遊びました。選んだ覚えのないレベルから始まり、一度もクリアできたことのない私の指が止まらなくなります…
大学写真部の夏合宿で泊まった、外房の網元屋敷の古い民宿。深夜、寝落ちした部員の枕元に、濡れた髪の女が正座していた。誰も動けないまま夜が明け、東京に戻って集合写真…
北関東の盆地の町のはずれに、赤煉瓦の製糸工場の廃墟があった。小学三年の夏、私たちは三人でそこへ入り、闇の奥から聞こえたため息に追われて逃げ出した。三十年後、母は…
四つの秋と十七の秋、私は妹を別々の場所で同時に見ました。丹波の谷にある祖父の家の、母屋と土蔵。数の増える踏み石、電気の来ていない蔵に点いた灯り、日付だけが五十年…
六月の夕暮れ、蛙の声が消えた道で、頭に包帯を巻いた子供が一輪車で坂を下ってきた。両手には、生きた白いニワトリ。影はあるのに、音がしない。坂の上は行き止まりで、そ…
休職中の帰省で、乗り換えの電車が消えた。降りた先は、昭和十九年に廃止されたはずの駅だった。声を出せない駅員と、老人の地図の裏に並ぶ読めない文字。母の記憶とも食い…
九月の初め、東北の遠い親戚を訪ねました。熱帯魚好きのお父さんと畑へ向かう途中、小屋で生まれたばかりの子犬たちを見つけます。ところが最後に生まれた一匹だけ、顔が人…
物心がつく前から、僕には「前にもここにいた」という口ぐせがあったそうです。母の実家の細い道でだけ、足がすくむ。入ったことのない部屋を、なぜか知っている。やがて祖…
祖母が遺した古い家で暮らしていた頃、二つになる娘は二人きりのとき、私を祖母だけの愛称でそっと呼びました。誰も教えていないはずの古い子守唄、祖母しか知らない昔の出…
家に伝わる決め役という役目。姪の病で実家が土地を手放そうとした夜、母は私に電話をかけたと言います。しかし私は、その電話を取っていません。発信元は、十六年前に解約…
二十年前の秋、城下町の寂しい県道で、俺は見えない壁にぶつかった。透明で、磨いた石のように固い壁。引き返した直後、一台の軽トラックが、何もない道で潰れた。土地が静…
記録的な大雨で半鐘が鳴った晩のことです。藍色の着物を着た裸足の猫を抱えた子が、百段の石段を誰よりも速く駆け上がっていきました。町じゅうの者がその姿を見ているのに…
塾帰りの歩道橋で、突然すべての車も鳥も枯れ葉さえも静止し、時間が止まりました。目の前に現れた継ぎ目のない灰色の男女は、私を見て「あ」とつぶやき——。小学五年の秋…
終電間際の海沿いの無人駅に、接近放送もないまま十両以上の古い青い列車が音もなく現れました。一両だけ開いた扉の奥は、塗りつぶしたような深い闇でした。北陸本線の霜月…
高熱の地下鉄で記憶が途切れ、気づくと一年後の見知らぬ街に立っていました。染めた髪、知らない服、一文字だけの連絡先、そして見知らぬ鍵。失われた一年をめぐる、この不…
古い文化住宅の共同玄関に置かれた、一台の古い乳母車。眠る赤ん坊の目には、白目がありませんでした。数十年後、母の記憶とまるで食い違う、この不思議な話を、当時のまま…
仙台の終電後、雨宿りをした軒下で出会った、傘も持たず濡れていない紳士。彼が語った予言は半年で次々と当たり、手には片方だけのイヤリングが残された。二月十一日の午後…
小学三年生の夏の夕方、いちばん仲のよかった親友のみおちゃんが言いました。今日の私はほんとうは四十歳なの、と。意味も分からず別れて四十年、自分が四十歳になった朝に…
ミステリーを応援する
読んでいただけるだけで、十分に励みになります。
当サイトは個人で運営しており、いただいたご支援はサーバー代やドメインの維持費に大切に使わせていただきます。
¥240 の一度きりのお支払いで応援いただけます。
お礼として、以後ずっと広告を非表示にいたします(継続課金はありません)。
ブラウザを変えた・Cookieを削除した場合は、登録のメールアドレスを入力してください。