ガラス玉のような目
公開日: 東京伝説
数年前に友達とドライブに行った時の事。
結構遅くまで盛り上がって、帰る頃には夜中の2時を回っていた。
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車も人も全く通らない道路を走っていると、前方に人影が。道路の真ん中をフラフラと歩いている。
最初は酔っ払いかと思ったが、近付いて見ると小学生の子供だった。
こんな夜中に?
俺達は瞬時に楽しい気分が吹っ飛んだ。多分誰もが『幽霊か?』と思っただろう。
スピードを落としてよく見ると、ちゃんとした人間のようだった。
そのまま見過ごすのは不憫だと思った俺達は車を停め、少年に近付いた。
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俺が車を降りて
「何してるの?」
と聞くと、少年はボソッと
「遊んでた……」
と言う。
夜中の2時に子供が遊んでいた?
その時点でかなり怖かったんだけど、一応家まで送る事にした。
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車に乗せて話を聞いても要領は得ない。何と言ってもその少年が終止無表情だったのがゾッとした。
特にその目。俗に言う「ガラス玉のような目」に初めて遭遇した。
その時の印象は『ああ、この子は人を信用してないんだな』というものだったな。
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暫く走ったところで、その子が
「ここでいい……」
と言うので降ろした。
「本当にここでいいの? 家まで送る?」
と聞いてはみたものの、内心ホッとしていた。
※
後から友達にその時の話をすると、みんなかなり怖かったらしい。
ただの少年にここまで恐怖するとは思ってもみなかった。
最初に浮かんだ言葉は「虐待」と言う言葉だった。
親に虐待され、完全に人を信用していないとあんな目をするのかな…と思うと悲しくなった。