宗教勧誘
公開日: 東京伝説
バイト先に、十日で辞めた男が居た。
仕事は出来たけど目がいっている感じだったので、自分からは話し掛けなかった。
※
ある日、知らないアドレスから夜中にメールが届いた。開いて見ると、
「山田です。今度の土曜日、○○○で集会があるので来ませんか?
○○さん(あたし)の妹さんや、○○さん(親友)も誘って一緒に来てもいいですよ」
とある。
アドレスは教えていないし、なぜ妹が居ることや親友の名前まで知っているのか解らず、怖くなり即効で受信拒否した。
そしたら向こうがアドレスを変え、またメールを送ってきた。怖かったので、
「土曜日はバイトあるんで(嘘)行けない」
と返信した。
そしたら日曜日の深夜にまたメール。
「○○さん、あなたは嘘吐きですね。土曜日はシフト入ってないじゃないですか」
更にバイト先の先輩から、山田が土曜日に店に来ていたという電話が来た。
再びアドレスを変え、ほっとしたのも束の間、またメールが届いた。
アドレスを変えても、
「無駄、無駄、無駄~!絶対に無駄!」
というメールで受信箱がぎっちり埋まっていた。
怖くてバイトにも行けなくなり、ノイローゼになるかと思った。
※
バイト先で詳しく話を聞くと、バイト仲間は家の近所でそいつに待ち伏せされ、偶然会ったように声を掛けられたという。
山田という名前も偽名だろうし、布教目的だったのは分かるけど、なぜアドレスや友達の名前まで判るの? と言うか、そこまで調べるか?
幽霊より、宗教に嵌っている奴の方が怖い。
ちなみにアドレスを変えた時は、バイト仲間には教えていなかった。
最初のアドレスはバイト仲間から聞いていたとしても、なぜアドレスを追跡出来たのかどうしても解らない。