宗教勧誘

公開日: 東京伝説

スマホを持つ女性(フリー素材)

バイト先に、十日で辞めた男が居た。

仕事は出来たけど目がいっている感じだったので、自分からは話し掛けなかった。

ある日、知らないアドレスから夜中にメールが届いた。開いて見ると、

「山田です。今度の土曜日、○○○で集会があるので来ませんか?

○○さん(あたし)の妹さんや、○○さん(親友)も誘って一緒に来てもいいですよ」

とある。

アドレスは教えていないし、なぜ妹が居ることや親友の名前まで知っているのか解らず、怖くなり即効で受信拒否した。

そしたら向こうがアドレスを変え、またメールを送ってきた。怖かったので、

「土曜日はバイトあるんで(嘘)行けない」

と返信した。

そしたら日曜日の深夜にまたメール。

「○○さん、あなたは嘘吐きですね。土曜日はシフト入ってないじゃないですか」

更にバイト先の先輩から、山田が土曜日に店に来ていたという電話が来た。

再びアドレスを変え、ほっとしたのも束の間、またメールが届いた。

アドレスを変えても、

「無駄、無駄、無駄~!絶対に無駄!」

というメールで受信箱がぎっちり埋まっていた。

怖くてバイトにも行けなくなり、ノイローゼになるかと思った。

バイト先で詳しく話を聞くと、バイト仲間は家の近所でそいつに待ち伏せされ、偶然会ったように声を掛けられたという。

山田という名前も偽名だろうし、布教目的だったのは分かるけど、なぜアドレスや友達の名前まで判るの? と言うか、そこまで調べるか?

幽霊より、宗教に嵌っている奴の方が怖い。

ちなみにアドレスを変えた時は、バイト仲間には教えていなかった。

最初のアドレスはバイト仲間から聞いていたとしても、なぜアドレスを追跡出来たのかどうしても解らない。

関連記事

俯く女性(フリー写真)

摂食障害の女性

夜中、コンビニの帰りに墓場の前を通ったら女の人が居た。 ガサガサと音が聞こえるので近付いて見ると、何かを食べているようだった。それも大量に。 かと思ったら土の上に嘔吐し始め…

塀(フリー写真)

腕がない

これは一年と少し前、実際に見た話です。 家の近くで子供3人が遊んでいる横を自転車で通ろうとした時のこと…。 『何か変やなあ、見間違いかなあ』と最初は思っていたんです。 …

アパートの廊下(フリー写真)

ワンピースの女

知人が体験した話。 ある初夏の早朝、ゴミを捨てに行こうと建物の一階ロビーに降りたら、包帯を両腕に沢山巻いた白いワンピースの女が倒れていた。 その建物のガラス戸はオートロック…

夜道(フリー背景素材)

ガラス玉のような目

数年前に友達とドライブに行った時の事。 結構遅くまで盛り上がって、帰る頃には夜中の2時を回っていた。 ※ 車も人も全く通らない道路を走っていると、前方に人影が。道路の真ん中を…

民家(フリー写真)

無干渉

私は東京と言っても西の外れの方に住んでいるのですが、自宅から百メートルほど離れた所に、小学生時代からの友人の家があるんです。 問題はその友人宅の隣に古い一戸建てがあり、友人曰く、…

炎(フリー素材)

老人の孤独

俺は土木屋なんだけど、ある道路の工事中に近所から煙が上がってたんだよ。 最初は何かを燃やしているだけかと思ったが、どんどん煙の勢いが増して行ったので、見に行ってみると民家が燃えて…